初売りの福袋を買い求める客でにぎわった売り場=1月1日、佐賀市のゆめタウン佐賀

1月の佐賀県内は例年より寒さが厳しく、季節商品の販売が伸びた一方、レジャーなどで客足が落ち込んだ。個人消費は持ち直しつつあるが、業種によって明暗が分かれる形となった。

 大型店はエアコンなど暖房機器の売り上げが伸長した。苦戦が続いていた冬物衣料も、安く購入できる初売りや福袋が数字を押し上げた。高値の野菜は一部で伸び悩んだ。

 中旬の積雪で、ゴルフ場の来場者数は大きく落ち込んだ。予約のキャンセルが相次ぎ、休業した施設もあった。不動産も全域で売買が低調だった。

 明るさがみられたのは、有田焼業界。年始の需要を取り込んで業務用食器の受注が伸びた。機械・電機は自動車や半導体、食品製造向けを中心に好調を維持したが、燃料費の高騰や技術者不足を懸念する声が高まっている。

初売り、暖房機器好調

 ◇…大 型 店…◇

 厳しい寒さが客足に影響し、売上高、来店客数ともに前年実績を下回り、数字を伸ばすことができなかった。婦人服を中心に衣料が苦戦。鮮魚や果物は売れたが、高値が続く野菜は伸び悩んだ。催事は堅調で、初売りは例年並みの売上高を確保。長崎・鹿児島の物産展は前年実績を上回った。

 (小笠原浩幸・佐賀玉屋営業企画部長)

 売上高、客数ともに前年実績を上回った。初売りは好調で品数を増やした福袋の販売も伸びた。買い控えが続いていた衣料も福袋やバーゲンで安く購入できるようになって動きが出てきた。バレンタインデーの売り場は中旬から展開。昨年より商品を充実させ、売り上げも伸びている。

 (高橋邦典・ゆめタウン佐賀支配人)

 ◇…電 化 製 品…◇

 寒波による気温の低下でエアコンなど暖房機器が伸長し、売上高は前年実績を上回った。液晶より高精細な有機ELテレビの売り上げも好調だった。客数は前年を割り込んだが、快適性や便利さを重視して高性能の製品を買う客が増えており、客単価の伸びが数字を押し上げた。

 (池上英治・エディオン佐賀本店店長)

 ◇…印   刷…◇

 1月は動きが少ない端境期。全体の売り上げは前年と変わらなかった。自動車部品などメーカーのカタログ、求人チラシは増えたものの、受注量は全体的に減少傾向で、前年実績を上回ることはできなかった。年度末の官公需や、3月17日に開幕する「さが幕末維新博」関連の仕事が出てくるのを期待している。

 (平川直樹・県印刷工業組合理事長)

 ◇…  茶  …◇

 歳末商戦後で月の初めは動きが鈍かったが、寒さもあって持ち直した。全体的にみると動きは活発で、例年より売り上げが伸びた。特に産地間取引では、上級品で不足感が高まったためか、下級品のほか、粉茶や茎茶などを積極的に買い求める業者もいた。

 (橋爪英彦・県茶商工業協同組合理事)

 ◇…製   麺…◇

 全体の売上高は前年並みだった。年末は年越しそばや歳暮で売り上げが伸びるが、年明けはその反動が大きい。新たな消費喚起策として「年明けうどん」の普及に力を入れてきたが、消費者への認知は広がらず、目立った動きにはつながらなかった。

 (古賀義治・県製粉製麺事業協同組合理事長)

 ◇…機械・電機…◇

 自動車や半導体、食品製造向けが好調で、官公庁からの受注も底堅かった。年末にかけて積み上がった受注残の解消で仕事が増えたが、現場の人手不足に加え、年始の休日で稼働日が限られるため、効率的な作業を求められる企業が多かったようだ。

 (中村敏郎・県工業連合会会長)

 ◇…I C T …◇

 1月は年度末の需要期に向けて追い込みをかける時期だが、全体の売り上げは前年並みで推移した。企業へのICT導入を促す国の支援事業に伴う受注増を見込んでいたが、今のところ、目立った動きはないようだ。

 (城島浩文・県ソフトウェア協同組合副理事長)

ゴルフ来場者大幅減

旅行需要伸びず高速バス9%減

 ◇…旅   館…◇

 宿泊客数はわずかながらも前年実績を上回った。訪日外国人観光客が堅調に推移しており、インターネットで予約する個人客が増加傾向にある。唐津焼の窯元巡りや呼子の朝市が人気のようで、体験プログラムを企画して誘客を図りたい。

 (松下隆義・唐津市旅館協同組合理事長)

 年始の宿泊が伸び、客数は前年実績を上回った。近隣県からの個人客がほとんどで、訪日外国人の割合は5%程度だった。27日に始まった「うれしのあったかまつり」以降の客室の平均稼働率は通常よりやや高い72%。平日の集客につながっている。

 (池田榮一・嬉野温泉旅館組合理事長)

 ◇…ゴ ル フ…◇

 寒波の影響で、県内施設の来場者数は前年同月比14%の大幅減だった。もともと予約が少なかったことに加え、積雪による休業やキャンセルが響き、前年同月より約6千人減った。温かくなる春先にかけて客足の回復を期待したい。

 (毛利雄治・九州ゴルフ連盟支配人部会県代表幹事)

 ◇…バス・タクシー…◇

 乗り合いバスの運送収入は前年同月比1・7%の増で平年並みだった。高速バスは9・0%の減。正月休みの旅行需要が伸びず、天神線、空港線ともに落ち込んだ。貸し切りバスは、訪日外国人客の団体ツアー利用が伸びて17・5%の増。5カ月ぶりに前年実績を上回った。タクシーは年始の帰省客、新年会の利用も伸びず、2・1%減だった。

 (江上康男・県バス・タクシー協会専務理事)

業務用食器売り上げ伸長

 ◇…陶 磁 器…◇

 業務用が好調で、前年比12・13%増と2桁の伸びを確保した。年末年始商戦への商品供給が順調に推移したようで、年の初めに弾みがつく数字となった。ただ、燃料高騰や熟練労働者を中心とした窯元の人員不足が気掛かりとなっている。市場を熟知した商社の注文に応えるため、これからも知恵を絞っていきたい。

 (百武龍太郎・県陶磁器工業協同組合専務理事)

 前年比0・86%減とほぼ前年並みだった。定番商品がコンスタントに出て、首都圏での展示会に向けた仕入れ商品や個々の商社の主力商品の動きも良かった。厳しい状況が続く中で、新規出店需要や海外取引をつかんだ組合員も見受けられる。今後も業務用、一般用ともに新たな需要の掘り起こしを期待したい。

 (藤雅友・肥前陶磁器商工協同組合専務理事)

 小売りはやや不調だったが卸がカバーし、前年比1・60%増と前年実績を超えた。昨年秋以来、落ち込みが続いていた業務用の売り上げが数字を伸ばしたことは心強い。インスタグラムなどを使い、視覚に訴えかける商品紹介など、若い世代をターゲットにした取り組みもあり、今後の動きを注視したい。

 (原口秀夫・有田焼卸団地協同組合専務理事)

 ◇…陶   土…◇

 波佐見地区の主力の一般向け量産品に他産地からの参入の動きがあり、数字を伸ばすことができないなど、前年比7・6%減と苦戦が続いている。昨年から続く漸減傾向に歯止めが掛からず苦慮している。東京五輪需要などを足掛かりに、好転のきっかけをつかみたい。前月比は6・7%減だった。

 (一ノ瀬秀治・肥前陶土協同組合主事)

 ◇…建   設…◇

 県内の公共工事の請負金額は前年同月比11・4%の減。発注者別にみると、前年に補正予算に伴う工事があった反動で国や県が落ち込み、4カ月ぶりに前年実績を下回った。市町は嬉野市体育館の建設工事などで84・0%の大幅増だった。

 12月の住宅着工は20・1%減の449戸だった。

 (中島博文・県建設業協会専務理事)

 ◇…不 動 産…◇

 正月休みで営業日が少ない上に寒波が重なり、全域で取引が鈍化した。地区別に見ると、佐賀は中古物件に引き合いがあるものの、比較的安価な建売住宅が増え、物件を慎重に選ぶ傾向が強まっている。鳥栖・三神は一戸建てや中古マンション、住宅用地のいずれも例年より動きが鈍く、活発だった伊万里も分譲地で売れ残りが見られる。

 賃貸は3月の引っ越しシーズンに備え、大学がある佐賀を中心に建物の改修が本格化してきた。

 (山口英則・県宅地建物取引業協会地域振興委員長)

建具資材購入3カ月連続増

 ◇…家   具…◇

 前年同月比で売上高が減った組合員が54%を占め、厳しい状況が続いた。たんすやチェストなどの収納家具が特に伸び悩んでいるようだ。古くても修理して使い続けたり、インターネット通販で中古品を購入したりする人が増えていることも背景にあるとみている。

 (平田尚士・諸富家具振興協同組合副理事長)

 ◇…建   具…◇

 組合の資材共同購入額は前年同月比8・1%の増。3カ月連続で前年実績を上回り、明るさがみえつつある。元請けの受注環境が改善していることに加え、組合員の営業努力が実を結んでおり、当初計画を25%上回る実績を残すことができた。

 (石井敏明・県木工業協同組合理事長)

 ◇…石   油…◇

 県内のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均小売価格は前月より2円60銭高い146円50銭。原油高の影響で灯油も値上がりし、店頭価格(18リットル)は52円高い1606円だった。

 12月のガソリン販売量は前年同月比0・9%の増。軽油は1・4%増、灯油は気温の低下で需要が伸びて27・6%の大幅増だった。

 (光武繁・県石油商業組合専務理事)

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