唐津市中心部から遠く東に目を移すと、浮岳が見える。福岡県境にあり、どの方角から眺めるかで見え方が異なる。唐津からは富士山のような三角形に見え、容姿が一番いい。先日、この名が付く七山にある「浮岳大橋」を初めて渡った。

 谷間にかかるこの橋を過ぎ、さらに車で進み、植林会場に到着した。曳(ひ)き子を乗せたバスを追いかけて正解だった。地図をもらっていたが、1人ではとてもたどり着けなかっただろう。

 唐津くんちの曳山(やま)の台車に使う修復材の入手が難しくなっている。苗木から育て確保する植林計画の一歩目を取材した。現地で神事も執り行われ、奏上される祝詞に耳を澄ますと、その場にいた人たちの曳山を大切に思う気持ちがこちらにも伝わってきた。

 14カ町の曳き子でアカガシの苗木600本を植えた。修復材に使えるようになる目安は150年後。ちょうど明治維新から今日までと同じ月日がかかる。曳山を守り続けてきた月日にも重なる。

 市中心部から見ると、植林した場所はちょうど浮岳の後方辺り。浮岳を超えるような勢いで、ぐんぐん育つといい。(唐津支社・宮﨑勝)

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