先月、愛知県で生後11カ月の三つ子の1人が母親から虐待を受け、その後死亡したという報道があった。多胎(双子や三つ子など)支援者の間で「また起きてしまった」という残念で悲しい思いが駆け巡った。

 私も双子の母親。出産後すぐの睡眠時間は1時間もない過酷な子育てだった。一方、多胎家庭に対する情報は極めて少ない。多胎児の子育て経験者が身近にいないので、子育てのモデルも、相談する人も、大変さをわかってくれる人もいない。慢性の睡眠不足で心身ともに疲れ果てた。他の多胎児の母親の多くも大変すぎて1歳までの記憶がほとんどないという。虐待するかどうかは本当に紙一重だった。虐待した、この母親は三つ子だ。きっと想像を絶する大変さだったろうと涙が止まらなかった。

 現在9県に「多胎ネット」があり、県内のピア(仲間)サポーターと、医療、行政、福祉などが連携し、多胎支援のネットワークをつくっている。

 双子・三つ子サークル「グリンピース」では、育児先輩ママを中心に多胎支援活動を行い、ゆくゆくは「さが多胎ネット」への移行を視野に取り組んできたが、2018年度からその発足に向けて準備していくことになった。発足は19年度の予定。このネットワークが多胎家庭だけでなく、すべての子育て家庭のためのネットワークになると信じている。(中村由美子・佐賀女子短大非常勤講師)

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