過労死で亡くなった夫のことを振り返り、教職員の働き方について問題提起した工藤祥子さん=佐賀市文化会館

 「教員の働き方を考えるシンポジウム」(佐賀新聞社主催)が25日、佐賀市文化会館で開かれた。夫を過労で11年前に亡くした工藤祥子さん(51)=東京都=が学校現場の実態を報告し、パネル討論も交えて長時間労働を解消する手だてを探った。

 中学校教諭だった夫の義男さんは2007年、くも膜下出血で40歳で亡くなった。転任したばかりの学校で授業や生徒指導に加え、2クラスの副担任や部活動の顧問も受け持っていた。工藤さんが公務災害を申請して認められるまでに約5年かかったといい「申請には、加害者になっているケースが多い『所属長』を通さないといけない」と構造的な問題を指摘した。

 教職員の時間外労働に上限規制を設ける署名を昨年5月から呼び掛け、全国で50万筆が集まったことも報告した。その上で「先生が心身ともに健康で余裕を持たないと、子どもたちにいい影響を与えられるはずがない」と訴え、「働き方を見直し、タイムカードをつけるなど、やれることから始めてほしい。命や大切な人を守るため、休む勇気を持って」と呼び掛けた。

 県内の教諭やPTA関係者らを交えたパネル討議では、教員の生活サイクルや部活動指導に話題が及んだ。中学の部活に一斉休養日を設ける取り組みが県内で始まっていることも報告された。シンポには約120人が参加した。

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