1年かけて制作した模型と(左から)田中社長、光武さん、江口さん、土井さん、宮本さん、津川久博塩田工高校長。後ろは武雄温泉新館

完成まで2年がかりで「福岡市文学館」の模型を完成させた唐津工高の生徒=唐津市本町の旧唐津銀行

■塩田工 武雄温泉新館 50分の1、細かい造りも再現

 塩田工高建築科の3年生4人が23日、卒業制作した国重要文化財の武雄温泉新館の模型を武雄温泉に贈った。屋根の形状から窓の格子の形まで、細かい造りの再現に苦労を重ねた1年がかりの労作。新館を望める楼門の2階に展示された。

 贈ったのは江口匠海(たくみ)さん、光武蓮(れん)さん、土井夏希(なつき)さん、宮本駿(しゅん)さん。「身近にある素晴らしい建物で、作りがいがありそう」と、辰野金吾の設計で1915(大正4)年に完成した新館を卒業制作に選んだ。

 模型は幅92センチ、高さ25センチ、奥行き45センチで実物の50分の1の大きさ。4人は「屋根の勾配や重なりの部分が難しかった」「少しずつ違う窓の格子の形状や朱色の再現に苦労した」など、夏休みや放課後も使って仕上げた作品の苦労を話した。リモコンを使って部屋が赤や青、黄色などに点灯する仕組みも加えた。

 新館であった贈呈式では江口さんが「武雄温泉新館の魅力を発信することができれば」とあいさつ。武雄温泉の田中隆一郎社長は「細かいところまでよく作られている。すごい。辰野が造った時もみなさんと同じような思いだったのではないか」と感心していた

■唐津工 「福岡市文学館」 完成2年、旧唐津銀に展示

 唐津工高建築科3年生が、唐津出身の建築家・辰野金吾が設計した「福岡市文学館(赤煉瓦文化館)」の模型を制作した。昨年の3年生から引き継ぎ完成まで2年を要した力作で、屋根の曲線などを忠実に再現している。建築科の歴代の先輩たちが作った辰野の建築物模型とともに3月初旬まで旧唐津銀行(唐津市本町)に展示される。

 福岡市中央区天神にある同文学館は1909(明治42)年、旧日本生命保険九州支店として建築された。赤煉瓦と白い花崗(かこう)岩の外壁、ドームや小塔、屋根窓が特徴。69(昭和44)年に国の重要文化財に指定されている。

 作ったのは川添連さん、松本治樹さん、鶴田海斗さん、野崎修吾さん、山口瑠圭(るか)さん、山下智彦さん。模型は縦72センチ、横54センチ、高さ67センチで、実物の50分の1のサイズ。建築模型用の板や厚紙で、実際の設計図を基に作った。明かりがつくよう電球も配している。

 昨年の3年生が1年間で完成させるはずだったが、外壁部分の制作に時間がかかり間に合わなかった。今年の3年生6人が、屋根と建物を囲む柵などを引き継ぎ完成させた。

 唐津工高建築科はこれまで、辰野が手掛けた東京駅や日本銀行本店など七つの模型を作り、旧唐津銀行に展示している。文学館を作った生徒の一人、川添さん(17)は「建物が左右非対称で手が込んでいる」と辰野の設計に敬服。「先輩たちの作品に負けないものができたと思う」と胸を張った。

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