陸上自衛隊目達原駐屯地を飛び立つUH-1Jヘリコプター=22日午前9時11分、三養基郡上峰町上空(撮影・山田宏一郎)

 陸上自衛隊は22日、神埼市千代田町の民家に目達原駐屯地(神埼郡吉野ヶ里町)所属のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落した事故を受け、自粛していた駐屯地のヘリの飛行を、同型機を除いて再開した。飛行は16日ぶりで、墜落現場周辺のルートは避けると説明している。事故原因は特定されていないが、飛行回数などの運用面は事故前の水準に戻すとしている。

 再開対象のヘリは4機種で約40機。駐屯地の駐機場には朝からヘリ数機が並び、うち1機が午前9時10分ごろに離陸し、東側に飛び去った。1時間ほどのうちに2、3機目も離陸した。

 飛行再開に関し、佐賀県の山口祥義知事は県議会終了後に取材に応じ、県民に不安の声があることを踏まえ「配慮は欠かさないでいただきたい」と注文した。一方で、国防や災害支援など自衛隊の任務に理解を示す必要があるとして「やむ得ないと思う」と述べた。

 墜落現場の神埼市の松本茂幸市長は、前日の21日に駐屯地の山﨑嘉樹司令から飛行再開に関する電話があったと説明し「『承りました』と伝えた。ただ、住民の神経はとがっている。できれば(事故の起きた上空は)飛ばないでほしいと要請した」と話した。駐屯地が立地する吉野ヶ里町の多良正裕町長と三養基郡上峰町の武広勇平町長は、情報公開の徹底を陸自に求めていく考えを改めて示した。

 陸自は既に現場検証や落下部品の捜索を終え、事故調査を進めている。現場から回収した「メンテナンス・データ・レコーダー」には飛行記録や整備履歴が残っているとみられ、製造元の米ボーイング社に送り、データの抽出を進める。

 5日の事故では搭乗していた隊員2人が死亡、墜落現場の住宅が全焼し、この家にいた小学5年の女児(11)が逃げる際にけがをした。周辺では落下部品が家の屋根を貫通するなど8件の被害も確認されている。

 駐屯地のヘリは被害状況の確認で6日まで飛行し、再開に向けて19日からホバリングを含む最終点検をしていた。

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