頭取交代の理由を説明した陣内芳博頭取(左)と新頭取に内定した坂井秀明常務=佐賀市の佐賀銀行本店

 金融業界の荒波を、トップの若返りで乗り切る一手を打ち出した佐賀銀行。陣内芳博頭取は21日、突然の交代発表で、新頭取となる坂井秀明常務に新年度から全権を譲る異例の方針を示した。県内の関係者からは陣内氏の退任に驚くとともに、新頭取のかじ取りへの期待感がにじんだ。 

 「4月から頼むね」「えっ、もっと後かと思ってました」-。陣内頭取は会見で、坂井常務に後継を打診した昨年12月のやりとりを振り返り、唐突な交代劇だったことを明かした。

 「前例は踏襲しない」。陣内頭取は4月1日に新頭取が就任することを強調した。6月の株主総会開催を待たずに頭取が交代するのは初めてといい、「新頭取が新年度の方針を打ち出すのが自然な形だろう。19年度以降の中期経営計画策定を1年かけて準備してほしい」とエールを送った。

 陣内頭取の退任について佐賀共栄銀行の二宮洋二頭取は「もっとおやりになると思っていた。マイナス金利による経営環境の悪化に加え、高齢化や人口減少も進む中で常に改革に取り組んできた」とライバル経営者の手腕を評した。

 坂井氏は、銀行の中枢業務である総合企画部を長年担当し、事業性評価、審査、有価証券取引などの理解が深い。県内の金融関係者は「現頭取より9歳若返る。優秀で若い人材をトップにすることで、16年の行員不祥事のイメージが払拭(ふっしょく)されるのでは」と好意的に受け止めた。

 坂井氏と親交のある関係者は「有力候補の一人と思っていた。明るさの中に重厚さを持ち決断力に優れた方」と評する。「金融当局や中小企業庁との人脈が今後の業務改善に生きてくるのではないか」と分析した。

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