インタビューに答える米配車大手ウーバー・テクノロジーズのダラ・コスロシャヒCEO

 来日中の米配車大手ウーバー・テクノロジーズのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は20日、共同通信のインタビューに応じ、日本各地のタクシー会社と提携し2020年をめどに配車サービスを全国展開する方針を表明した。「当面はタクシー会社へのシステム提供に専念したい」と説明。海外と同様に日本市場でもライドシェア(相乗り)事業の展開を模索してきた同社の経営姿勢を転換する。

 ウーバーは自家用車を使って有料で客を運びたい人と客を結び付ける相乗りサービスを主力とするが、日本では規制の壁に阻まれ、北海道と京都の一部過疎地域での例外的なサービス提供にとどまっている。コスロシャヒ氏は「配車アプリで全国のタクシーを呼べるようにする」と言及。当面は日本政府への相乗り解禁要求を抑え、タクシーの配車サービスを通じた日本市場の開拓を優先させる考えを示した。

 配車サービスを巡っては、ソニーがタクシー会社6社と新会社を設立し事業参入すると20日に発表、競争が激しさを増している。ウーバーは現在、東京都内でハイヤーなどに配車システムを提供するにとどまるが、北九州市に本社を置く第一交通産業をはじめ複数のタクシー会社と既に提携交渉を始めている。

 コスロシャヒ氏は「当社がシステム開発に最も多額の資金を投じている」と強調。人工知能(AI)などを活用して運転手と乗客を効率よくマッチングさせる技術の優位性に自信を示した。

 日本事業ではこのほか、東京都と横浜市で手掛けている料理配達サービス「ウーバーイーツ」を年内に全国5都市に広げ、その後も順次拡大していく方針を明らかにした。ウーバーの筆頭株主となったソフトバンクグループとも連携し「スピード感を持って事業を拡大させたい」と語った。

 コスロシャヒ氏は、セクハラなどの社内不祥事により辞任した創業者に代わり、昨年8月にCEOに就任した。今回の来日は就任後初めて。【共同】

 

 ■ウーバー・テクノロジーズ 人工知能(AI)など先端技術を駆使して急成長している米国の配車大手。スマートフォンのアプリを通じ、自家用車などを使って有料で客を運びたい人と客を結び付ける新サービスを手掛ける。欧米や中国では急速に普及しているが、日本では自家用車で人を有料で運ぶのは「白タク行為」として原則禁止されている。事業の成長性を見込むソフトバンクは投資家連合を組んでウーバーに計1兆円程度を出資した。

 

【米ウーバーCEO一問一答】 東京五輪が商機

 米ウーバー・テクノロジーズのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)との一問一答は次の通り。

 ―ウーバーにとって日本市場の位置付けは。

 「巨大なタクシー市場があり、成長の可能性を強く感じている。2020年の東京五輪は大きな商機だ。急増する訪日観光客を既存のタクシー会社の力だけでは運びきれないだろう。ウーバーの効率的な配車システムで問題解決に貢献できる。スピード感を持って事業を拡大させたい」

 ―今後の事業方針は。

 「当面はタクシー会社への配車システムの提供に専念したい。2020年をめどに当社の配車アプリで全国のタクシーを呼べるようにする」

 「日本のタクシー業界はテクノロジーの面で遅れている。(競合他社に比べ)当社がシステム開発に最も多額の資金を投じている。互いが歩み寄れば一段と力を発揮できるだろう」

 ―タクシー会社との提携は広がりそうか。

 「交渉は初期段階だが、良い感触を得ている。日本のタクシーの稼働率は平均30%前後だが、ウーバーの配車システムを活用すれば50%以上に高まるので収益メリットは大きいはずだ」

 「日本でウーバーの配車アプリを利用するのは年間4万人。(利用はしないが)アプリを開いた人を含めれば40万人に達する。関心は高く、成長余地は非常に大きい」

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