清掃工場西側で施設園芸のモデル拠点が整備される予定地=佐賀市高木瀬町

 佐賀市は新年度、同市高木瀬にある清掃工場から発生する余熱や二酸化炭素(CO2)を活用して農産物を育てるモデル拠点の整備を進める。市内の作付面積の減少を見据え、少ない農地で収益を確保できる施設園芸に着目した。JA全農と連携してモデル拠点で収益を検証、“稼げる農業”の確立を目指す。当初予算案に4億3153万円を計上して用地を取得、整備する。

 市は、清掃工場西側の高木瀬町平尾地区の用地約2・5ヘクタールを取得する予定。用地の確保や配管の整備は市が担い、栽培や販売などの施設運営は当面、JA全農が実施する。実証品目はキュウリで、作付面積は約1ヘクタール。20~30人を雇用し、2019年秋ごろからの作付けを目指している。

 農業用の制御装置などを使い、温度や湿度、CO2の濃度などのデータを数値化、ハウス内の環境を管理することで、少ない面積で効率的な収穫につなげる。キュウリの土耕栽培と水耕栽培に分けた実証実験も行う。県内平均の年間収穫量が10アール当たり25トンのところ、45~50トンの収穫を目標としている。モデル拠点で得られたデータのほか、投資額や収益額も検証する。

 JA全農は同様の事業を栃木、高知県で取り組んでおり、佐賀県は3例目。

 市によると、佐賀市の野菜の農業産出額は16年が51億1千万円で、5年前より36・8%減少した。市農業振興課は「農業従業者の減少や高齢化が進んでいる。各農家が経験や技術を基に作業していた部分を自動化して、施設園芸の経営モデルを普及させたい」と期待する。

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