4回目の対話集会で、市民(手前)の意見に耳を傾ける唐津市の峰達郎市長。奥は市の幹部職員=1月31日、北波多公民館

 唐津市の峰達郎市長(57)が就任し、1年が過ぎた。市長給料削減や市民対話集会と、できることから着手する一方、総合計画や市政運営の大きな流れは既定路線を継承する形で進んでいる。市長選で掲げた「新しい唐津」の姿は新年度に持ち越されている。

 1月31日夜、北波多公民館で開かれた4回目の対話集会。峰市長は約40人を前に「皆さんの意見の中にまちづくり、人づくりのヒントがあると思っている」と語り、参加者の声に耳を傾けていた。市議8年、県議10年の経験はあるものの、オンリーワンの首長として市民との間合いを詰めようとする姿勢が垣間見える。

▽前面出ず

 多い日には1日5回の面会を精力的にこなすも、本人は「『必ず皆さんの話を聞きます』と約束しながら時間調整が難しくて」と反省の弁を口にする。新年度はさらに生産者や女性など参加者を特定した「唐津創生会議」の開催も検討し、広聴活動を強化する。

 坂井俊之前市長時代には市幹部による不祥事に揺れた。就任後も市政を揺るがすほどではないにしろ、公用車の私的利用など職員の不適切行為やミスが起きている。選挙で市政の信頼回復を説いた峰市長は「いけないことだが、一つ一つ表に出ることで、それを機に徹底的な調査もなされている」と前向きに捉え直す。

 この1年を振り返ると、新たな課題も生じた。市役所建て替え計画の設計業者選定の遅れと、ふるさと会館アルピノの指定管理者の取り消し。ともに前市政時代の行政判断に起因していた問題で、指導力を発揮する格好の場面だったが、トップが前面に出ることはなかった。アルピノは未払い金問題に出口が見えず、納品業者らの行政への不信を招いている。

▽評価これから

 市長選の対立構図のままに緊張が残る議会との関係では当初、市長自身の発言の後退や副市長選任のつまずきもあって、守勢となる場面が目立った。年末には公約実現のプロセスなどをまとめた資料が議員らに示されたが、具体性が乏しく、議論は深まらなかった。峰カラーが実感できず、議員から「まだ評価のしようがない」との声が漏れる。

 1月末の定例会見で、この1年で足りない部分を問われると「公約の実現」と答え、新年度予算に向けて「いくらかでも公約に着手したと市民に理解してもらえるようにしたい」と意欲を示した。政策力が問われる2年目。自らゼロから手掛けた予算案は26日発表される。

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