深海宗伝の顕彰事業のために武雄の窯元が製作した記念杯。象嵌などの技法が施されているた

 武雄の焼き物の祖とされ今年400年になる深海(ふかみ)宗伝(そうでん)の顕彰事業に、武雄市観光協会が取り組む。功績を記した記念碑を建て、記念式典を開催する。宗伝を広く周知し、武雄の焼き物の歴史的な価値の掘り起こしや振興に取り組む。

 

 宗伝は、豊臣秀吉の朝鮮出兵で慶長の役に従軍した武雄領主後藤家信が朝鮮から連れ帰った陶工の一人。現在の武雄市武内町などに窯を築き、一族を率いて朝鮮の技法を伝えた。元和4(1618)年に死去した。宗伝の死後、妻の百婆仙は一族で有田に移り、有田焼の陶祖李参平らと同時代に陶芸活動に励んだ。

 業績については諸説あるが、染付の磁器や器の表面に彫りを入れて白土を埋め込んで装飾する象嵌(ぞうがん)技法を施した陶器など、多様な陶磁器と技法を武雄の地に根付かせたとされる。

 そうした功績を刻む記念碑は武内町の飛龍窯に建てる計画。記念式典は宗伝の命日の10月29日ごろの開催を目指して準備を進める。

 約100万円の事業資金を捻出するため、市内約20の窯元の協力を得て、記念の杯を製作、販売する。象嵌技法を施したり、宗伝の銘が入ったものもある。観光協会の事務所やJR武雄温泉駅の観光案内所などで、1個500~千円で販売する。イベントなどでも売り込む。

 観光協会の宮下正博常務理事は「中島宏さんが古武雄のコレクションを県に寄贈され、武雄の焼き物への関心も高まっている。宗伝を顕彰して広く知ってもらい、武雄焼の振興につなげたい」と話す。

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