有形、無形文化遺産の違いや保存の意義を語る河野俊行イコモス会長=旧唐津銀行

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関で世界文化遺産登録に関する予備審査を担当する「国際記念物遺跡会議」(イコモス、本部・パリ)の会長に日本人として初めて就任した河野俊行・九州大大学院教授(59)が、唐津市の旧唐津銀行で講演した。

 「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡)に続いて「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本)が今年の世界文化遺産登録を目指すなど、同遺産とイコモスの役割が注目される中、九州大唐津地区同窓会が企画。唐津曳山取締会の関係者を含め約70人が聴講した。

 河野会長は1960年代、アスワンハイダムの建設でナイル川流域の遺跡が水没の危機に瀕した際、「人類共通の宝」という世界遺産の基本的な考え方が広がったと説明。一方で今日は自然災害やイスラム過激派らによる意図的破壊行為が危惧されているとした。

 さらに建築物など有形の文化財を対象にした世界文化遺産と、祭りなどを対象にする無形文化遺産の違いを解説。一昨年、ユネスコ無形文化遺産に登録された「唐津くんち」について「無形遺産は人が中心で、人がいないと続けられない」とし「登録によって周囲から励ます機運が広がることにも期待したい」と述べた。

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