スケートの歴史は古く、起源は石器時代にさかのぼるというが、記述は2世紀の北欧神話が最初だ。氷の上を滑る姿を描いたものは、1498年のオランダの木版画が最も古い◆そのオランダはスピードスケート発祥の地ともいわれる。冬には水が凍る沼沢(しょうたく)地帯や運河が多い土地柄なので、もともとは冬の移動手段。寒くて積雪量が少ないから条件がそろっている(『雪と氷のスポーツ百科』)。知れば、平昌五輪のオランダ勢の活躍ぶりもうなずけるというものだ◆スピードスケートのエース、小平奈緒選手もオランダでの武者修行に挑んだ一人。その成果を存分に発揮し500メートルで金メダルに輝いた。「とうとう」である。1500メートルで6位、1000メートルはあと一歩の「銀」だったが、一番の得意種目で頂に立った◆ライバルで韓国の英雄と呼ばれる李相花(イサンファ)選手は五輪3連覇を目指したが、「銀」に止まる。レース後、涙にくれる李に小平は「私はあなたのことを尊敬しています」と言葉をかけた。李にずっと勝てなかったことで、記録を追いかけようという気持ちにさせてくれた選手。アスリートだけが分かる心境がある◆「スピードスケートは他人をコントロールするのじゃなくて、自分を制する競技」。小平の言葉だ。オランダで磨かれ、自らに勝つことで見事、大輪の花を咲かせた。(章)

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