群馬県安中市の磯部温泉にある温泉マークの記念碑(安中市提供)

 「温泉マーク」を国際規格に変更する経済産業省の案に対し、関係者から反対意見の表明が相次いでいる。2020年の東京五輪・パラリンピックの開催に向け、外国人観光客に分かりやすくする狙いだが、温泉地などの利害も絡んでおり、変更か存続か、調整が難航する可能性がある。

 「観光客へのPRに使っているので変えないで」。群馬県安中市の磯部温泉は、江戸時代の文書に温泉の位置を示す温泉マークそっくりの絵図が描かれていたことから、温泉マーク「発祥の地」とうたっている。安中市は9月、観光協会などと連名で、存続の要望書を経産省に提出した。

 磯部温泉組合は今年、3本の湯気を「2」に見立て2月22日を「温泉マークの日」に制定。市の担当者は「外国人に分かりやすくする必要性はあるが、伝統も大事にしてほしい」と訴える。

 大分県の別府温泉と由布院温泉も反対の立場を鮮明にしている。別府市旅館ホテル組合連合会の西田陽一副会長は、3人の人物が入湯している様子を示す国際規格は「日本人には混浴と誤解されるのでは」と指摘する。

 別府市が行った温泉のある全国の自治体へのアンケートでは、回答した57自治体のうち過半数の36自治体が「現在の方が良い」と答えたという。

 経産省は7月に、日本で普及する案内用図記号を国際規格にそろえる検討を始めた。現在の温泉マークは、外国人が温かい料理を出すレストランと誤解する恐れがあると説明している。

 これまでに経産省には、計約50件の反対意見が寄せられており、担当者は「慎重に検討して決めたい」と話している。【共同】

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