昨春の選抜高校野球大会を巡り、組織的に野球賭博をしたとして、福岡、佐賀両県警は2日までに、組織犯罪処罰法違反(賭博開帳図利)の疑いで、指定暴力団道仁会幹部ら数人を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。両県警は他にも関与した組員がいるとみており、最終的な逮捕者は十数人になる見込み。
 捜査関係者によると、幹部は2次団体組長。昨春の選抜高校野球大会の勝敗を予想する野球賭博を開き、客から1口千円の賭け金を集め利益を得た疑いが持たれている。

 両県警は、組織的な犯行とみて、刑法の賭博開帳図利罪(懲役3月以上5年以下)ではなく、より法定刑の重い組織犯罪処罰法の同罪(懲役3月以上7年以下)を適用した。会の資金源になっていたとみている。

■資金獲得、排除運動下でも

 指定暴力団道仁会(本部・福岡県久留米市)系の暴力団組織が野球賭博を開いた疑いを巡り、佐賀県警も捜査を進めている。排除運動が続く中、暴力団が依然として水面下で資金獲得の動きを継続していることをうかがわせている。

 佐賀県警組織犯罪対策課によると、県内で道仁会系は2015年末現在で7組織あり、構成員は計160人で、最も勢力が大きい。事務所は佐賀市に2カ所、唐津、鳥栖、伊万里、鹿島、嬉野市に1カ所ずつある。2006年の分裂で道仁会と抗争事件を繰り返した指定暴力団浪川会(旧九州誠道会、本部・福岡県大牟田市)系は県内で6組織100人となっている。

 武雄市で07年、市民が殺害される犠牲が出たこの抗争事件を契機に、県内で暴力団追放の機運が高まった。三養基郡みやき町への道仁会組事務所の進出を官民を挙げて阻止し、12年には県と全20市町で暴力団への利益供与を禁じる暴力団排除条例が整備された。

 しかし、暴力団による事業所への組織的なみかじめ料の取り立ては後を絶たないといい、道仁会系組員が今年7月、覚醒剤の密売で佐賀県警に逮捕された事件でも、資金獲得の動きが続いていることが浮き彫りになった。

このエントリーをはてなブックマークに追加