政府は北朝鮮による日本人拉致問題を巡り、小中高校の教員を対象とする研修を今秋から実施する方針を固めた。内閣府による昨年秋の世論調査で、拉致問題への若年層の関心が低い傾向が出たことを踏まえ、啓発活動を強化する。教員に拉致問題に対する理解を深めてもらい、授業内容に反映するよう促す。政府筋が18日、明らかにした。

 拉致問題を風化させないとの意思を北朝鮮に示す意味合いもある。政府関係者は「日本国民全体が拉致問題を解決するとの思いを持ち続けることが重要だ」と説明する。

 内閣府が昨年10~11月に実施した外交に関する世論調査で、北朝鮮への関心事項を複数回答で聞いたところ、拉致問題を挙げた人の割合は18~29歳が最も低く64・9%。最多は60~69歳の85・3%で、若い世代の拉致問題への関心が薄れつつある現状が浮き彫りになった。政府内では、2002年の拉致被害者5人の帰国から15年以上が経過し、拉致問題を知らない小中高校生が増えているのではないかとの懸念が広がっている。

 政府は4月以降、都道府県や政令指定都市の教育委員会事務局を通じ研修参加者を募集する予定。当初は数十人規模の参加を見込む。拉致現場視察や被害者との懇談のほか、実際に授業で拉致問題を取り上げている教員と指導法を意見交換する場も設ける。政府が毎年12月に開く拉致問題に関する国際シンポジウムへの参加も求める。

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