伊万里松浦病院の中庭にある舟一朝さん制作のオブジェ=伊万里市山代町

舟一朝さん=佐賀市巨勢町の自宅

 私の作品はどうなるのー。長崎県松浦市への移転が決まった伊万里松浦病院(伊万里市山代町)の中庭に、佐賀市の造形作家、舟一朝さん(77)が手掛けたオブジェの大作がある。移転に伴いどうなるか決まっておらず、舟さんは「大切な作品を取り壊すことにならなければいいけど」と気をもんでいる。

 

 作品は、前身の社会保険浦之崎病院だったころの1982年、病院の依頼で制作した。当時の院長が芸術への関心が高かったという。直径20センチの筒状ステンレスが虹のような弧を描き、高さ4メートル、長さ10メートル。購入費は380万円。全国の社会保険病院で赤字経営が問題化する前のことだった。

 病院は2020年秋ごろに移転する予定で、移転後の跡地利用を巡って現在、伊万里市と病院の運営法人が協議している。市は法人に診療所機能の存続を求めており、それ以外の部分については「施設の取り壊し後は責任を持って管理をしてほしい」としている。

 作品はどうなるのか。所有者である法人は「伊万里市との協議に入ったばかりで、跡地の将来像が固まっていない状況では決められない」としつつ、松浦市に持っていく予定はないという。

 舟さんは前衛の造形作家として、国内外で多くの作品を手掛けてきた。喜寿を迎えた今もポルトガルに足を運ぶなど精力的に活動しているが、4年前から心臓を悪くし、「いつ体調を崩すか分からない」と不安を感じている。そんな中、病院が移転することを知り、自身にとって思い出深い作品の行く末を案じる。

 「作品はずっと残ってほしいし、もし取り壊すようなら、どこか引き取ってくれないだろうか。芸術作品を大切にしてほしい」と舟さん。法人側は「具体的な話があれば、相談に応じる」としている。

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