いち早く稼働を始めたキュウリのトレーニングファーム。2018年度にはイチゴとトマトの施設整備が計画されている=17年10月、武雄市

 農業の担い手確保、育成に向け、佐賀県は新規就農者の研修拠点「トレーニングファーム」を拡充する。既に研修が始まっている2地区に加え、新たに白石町にイチゴ、鹿島市にトマトの研修施設を整備するため、2018年度一般会計当初予算案に1億9576万円を計上する。地域主体の担い手育成システムを構築し、産地の維持、活性化を図る。

 トレーニングファームは、農業で独立を志す人に栽培技術の習得から就農まで切れ目なく支援する取り組み。県が全額出資して施設を整備し、JAや地元生産部会などが指導する。武雄市では昨年10月、施設キュウリの研修ハウスが稼働し、1期生3組4人が研修をスタート。佐賀市富士町では1月から20代男性が特産のホウレンソウ栽培を学んでおり、4月から新たに東京の夫婦が参加を予定している。

 新たに対象となるイチゴは、県の主力品目の一つ。県内全域で栽培され、価格も比較的安定しているが、農家の高齢化に加え、出荷時期は作業負担が過重になるため後継者が育ちにくいといった課題もある。県農産課は「生産者の減少に危機感があり、当初から構想に入れていた品目」と話す。

 白石町にはイチゴを選果するパッケージセンターがあることなどから、作業負担を軽減した高設栽培の研修ハウス2棟と育苗ハウス、研修棟を建設する。

 トマトはJAさがみどり地区管内の鹿島市に整備。高収量が期待できる高軒高ハウス2棟を新設し、最新の環境制御技術を備える。

 いずれも秋ごろの完成を目指し、それぞれ2組の受け入れを想定している。

 県の新規就農目標は年間180人だが、就職環境の改善などでここ3年は大きく減少している。「地域全体で後継者を確保する取り組みのモデルをつくり、他の地区にも波及させたい」と県農産課。地方への移住希望者など県外からの人材確保も視野に入れており、「研修の受け皿を充実させることで就農説明会などでアピールできる」と話す。

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