佐賀銀行の箱崎支店(福岡市東区)に8月、窃盗目的で侵入したとして、建造物侵入罪に問われた長崎市、無職内川勝被告(38)に対し、福岡地裁は5日、懲役8月(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。同銀行の福岡市内の支店を巡る一連の侵入事件で、判決が出たのは初めて。

 判決によると、内川被告は弟で武雄市の造船所作業員田中晃一被告(32)=起訴済み=や住所不定、無職牟田口和彦被告(29)=公判中=らと共謀し、金庫破りの目的で、8月8日午後4時41分~同5時7分ごろ、箱崎支店に職員専用出入り口の施錠を外して侵入した。

 公判では、田中被告が指示役として内川被告ら2人に支店内の部屋の配置や解錠に必要な暗証番号を教えていたことなども判明。2人は実行役として作業服姿で金庫を壊すバールを持って支店内に入ったが、内川被告は行員の気配に気付いて屋上から飛び降り、逃走したという。窃盗被害はなかった。

 起訴された3人以外にも田中被告に今回の事件を持ち掛け、指示を出していた別の関与者がいることが明らかになった。関係者によると、支店には事件前に融資の依頼を受けて8月8日に3千万円が用意されていたものの、依頼者を装う者から同8日の受け取りを延期する連絡が侵入される前にあったという。

 岩田淳之裁判官は判決理由で、「役割分担して行った計画的かつ巧妙な手口の犯行で、刑事責任を軽視できない」と糾弾する一方、「(内川被告は)他の共犯者の指示に従って行動したにとどまる」ことを酌むべき事情として示した。

 佐賀銀行を巡っては、10月に福岡市城南区の干隈支店から現金数千万円が盗まれた事件に絡み、元行員の吉田淳被告(42)=11月7日付で懲戒解雇=が同市中央区の同僚宅に無施錠のドアから侵入し、支店の鍵などを盗んだとされ、窃盗罪で福岡地裁に起訴されている。

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