新調された山で遊ぶ園児たち=9日、佐賀市久保田町の認定こども園くぼた(同園提供)

本人の遺志で、遺産を寄付した中尾澄子さん(養護老人ホーム「佐賀整肢学園・佐賀向陽園」提供)

姉の中尾明子さん(久保田町広報誌から)

 佐賀市久保田町の認定こども園くぼたに、園児たちの遊び場となっている「山」が新たに整備された。久保田町出身で昨年8月に亡くなった中尾澄子さん=当時(91)=の遺志で、寄付された遺産の一部を活用した。「すみこおばあさんのおやま」と名付けられ、子どもたちの元気な笑い声が響きわたっている。

 

 園庭にある山は高さ約1・6メートル。これまでも子どもたちが遊び場にしていたが土だったのを人工芝で覆い、丸太の階段やステップ、トンネルなどを整備した。9日に園児たちがテープカットで完成を祝った後、次々に山を登り、勢いよく滑り降りて楽しんでいた。

 「お世話になった町のために。福祉に役立ててほしい」。中尾さんは生前に法的な遺産相続の手続きを行い、一部を子どもたちのために使ってもらうことを望んでいたという。14年前に亡くなった中尾さんの姉の明子さん=当時(81)=も同じ理由で久保田町役場(当時)に多額の遺産を寄付しており、それに続いた。

 ともに独身で姉妹2人きりだった。生前は佐賀市内にあったたばこ屋で働いていた。澄子さんを知る人は「ぜいたくせず、こつこつと働いてお金を貯めていたのだろう」と振り返る。

 こども園の石丸公大園長(36)は「子どもたちのためにといただいたお金なので、直接触れられるものにしようと考えた。中尾さんの思いが伝われば」と話している。

 中尾さんの遺産は他にも、久保田保育園などにも寄贈されており、同園では門扉やランチルームの改装を行った。

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