AH64D戦闘ヘリコプターの墜落現場から回収されたメインローターヘッド=8日、佐賀県神埼市千代田町

 佐賀県神埼市千代田町の陸上自衛隊ヘリ墜落事故は、飛行の中枢部品に不具合の修理履歴がある中古品が使われていたことが新たに分かった。専門家は「中古品の再利用は航空業界では常識」としながらも、メーカーの修理や検査に加え、陸自側のチェック、管理が適切だったのかが調査の焦点になると指摘する。 

 元航空自衛隊航空事故調査部長の永冨信吉氏は、1985年の日航ジャンボ機墜落事故を挙げて「尻もち事故を起こした機体の修理を米ボーイング社がミスしたことが原因になった。修理に出しても決して安全といえない」と強調する。「きちんと修理され、耐用年数や強度に問題なければ再利用できる」としつつ「どういう不具合で、それに対してどんな修理がなされたのか。修理後の点検は十分だったのか。私が事故調に入っていれば、こうした視点を重視する」と話す。

 軍事アナリストで静岡県立大特任教授の小川和久氏は「中古部品だから悪いとは限らない。金属疲労などをきちんとチェックできていればいい。米国では軍が払い下げた20年もののヘリや部品を消防や警察が使っている」と話す。事故機は地上でローターを回し、ホバリング状態でチェックした後、駐屯地外に飛び立っており「整備ミスなら、ホバリングの時点で異常が出るはず。部品自体か、部品の検査段階に問題があったのでは」と推測する。

 航空評論家の青木謙知氏は「(修理後の部品の)受領時、さらに取り付け時の点検、確認はどうだったかを調査するとともに、米国のメーカーに聞き取りをすることも必要になる」とみる。さらに、AH64D戦闘ヘリが国内に13機しか導入されていないにもかかわらず使用頻度が高い環境を踏まえ「整備、点検の現場にひずみや負荷がかかっていなかったかという視点も重要」と問題提起した。

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