陸上自衛隊ヘリコプターの墜落事故を受け、面談する山口祥義知事(右)と小野寺五典防衛相=11日午前10時すぎ、佐賀県庁

 神埼市千代田町の住宅に陸上自衛隊目達原駐屯地(神埼郡吉野ヶ里町)のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落した事故を受け、小野寺五典防衛相は11日、佐賀県の山口祥義知事と面談し、謝罪した上で、第三者の学識経験者も交えて原因を究明する考えを示した。山口知事は再発防止に万全を期すことや被害に遭った家族らへの丁寧な対応などを求めた。

 小野寺防衛相は「佐賀県の皆さまに大変ご迷惑をお掛けした」と頭を下げた。原因究明に関しては、7日の衆院予算委員会で必要性に言及していた学識経験者を、事故の分析に加えると説明し「しっかりとした形で早急に結果を出し、報告させていただきたい」と述べた。

 山口知事は、原因究明と再発防止の徹底、被害に遭った家族や地域住民への丁寧な対応の3点を申し入れ「国として責任を持って、被害者に寄り添った迅速で丁寧な対応をしていただきたい」と述べた。調査結果や再発防止策はまとまり次第、説明を受ける。

 小野寺防衛相は県議会の石倉秀郷議長、土井敏行副議長とも面談した。石倉議長は「今回の事故は自衛隊に対する信頼を著しく揺るがす」と指摘し、県民への迅速な情報提供と丁寧な説明を強く要請した。

 面談後、佐賀空港へのオスプレイ配備計画に対する影響を報道陣が尋ねると、小野寺防衛相は「申し上げる状況にない」と答えた。山口知事は「防衛省が考えること」と繰り返し、事故対応が最優先課題との認識を示した。

知事「民間人巻き込むな」 決意と覚悟、問いかけ

 「決して民間人を巻き込んではいけないことを肝に銘じるべきだ」-。神埼市千代田町の陸自ヘリ墜落事故を受け、佐賀県庁で11日に小野寺五典防衛相との面談に臨んだ山口祥義知事。12日で事故発生から1週間。知事は被害者や不安を抱く住民の思いを踏まえ、防衛相に再発防止への決意と覚悟を問いかけた。

 「最近、(自衛隊の)部隊関係の事故が増えているように感じる」。山口知事は懸念を示した上で、事故翌日に現場を視察し、被害に遭った家族と面談した際の様子に触れた。「(機体の一部が)突き刺さったところがあり非常に衝撃を受けた」「家族はかなり強いショックを受け、当時家にいたお子さんのことをうかがうと胸が詰まる思い」。こう述べて「一日も早く平穏な日常を取り戻せるよう全力で取り組んで」と要請した。

 小野寺防衛相は神妙な面持ちで聞き入り、原因究明や再発防止策の取りまとめ、被害者や地域住民への対応に「誠心誠意対応していきたい」と繰り返した。民間の住宅などに被害をもたらした自衛隊機の事故は「50年ぶり」と話し、改めて頭を下げた。

 防衛相は面談後、事故の数日後に航空自衛隊のヘリが物資輸送のため近隣を飛行したとの報告を受けたことを明かし、「配慮した飛行をするよう指示した」と強調した。「航空機の安全が損なわれることがいかに重大な結果を引き起こし、防衛省、自衛隊の信頼に影響を及ぼしかねないか実感した」とも述べ、「できる限りの対策を取る」と徹底した原因究明と再発防止を明言した。

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