原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長らが11日、九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)を視察し、県オフサイトセンター(唐津市西浜町)で山口祥義知事ら原発から30キロ圏内の11自治体の首長らと意見交換した。地元の岸本英雄玄海町長は新規制基準で義務付けられているテロ対策施設整備について「過剰ではないか」と疑問を呈し、長崎県の松浦、壱岐、平戸の3市長は避難路などに不安があるとして再稼働反対を伝えた。

 3号機の再稼働が3月に迫る中、30キロ圏内の自治体で賛否が割れていることが改めて浮き彫りになった。

 岸本町長は九電が昨年12月に設置を申請したテロ対策施設に触れ、「法外な投資をしなければならない」として規制緩和を促した。終了後、報道陣に「2千億円以上かかると聞いており、経済観念からみてどうか。現在も警察が24時間警備し、唐津海上保安部にも頑張ってもらっている。陸上自衛隊にも(部隊配備を)お願いしているところで、安全性は一定維持できるのでは」と説明した。

 再稼働の「同意権」はないものの、事故時の避難計画が必要な長崎県。友田吉泰松浦市長は「避難経路の整備が不十分。規制委も速やかな整備を共に国に望んでほしい。そうでなければ再稼働はとても受け入れられない」と他2市長と共に反対を表明した。

 更田委員長はテロ対策施設に関し「過剰な対策だと批判があることも承知しているが、ひるむわけにはいかない。安全対策に満足してしまうと危険」と必要性に理解を求めた。再稼働反対の声には、「合格後は、資源エネルギー庁や九電など推進主体が責任もってやるべき」と役割の違いを指摘した。

 視察で、火山灰対策では玄海3号機建屋屋上のフィルターコンテナを点検し、3、4号機の中央制御室の監視設備なども確認した。

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