対策委員会終了後、報道陣の取材に答える佐賀県有明海漁協の徳永重昭組合長=福岡県柳川市内

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の開門問題を巡り、佐賀、福岡、熊本3県の漁業団体は10日、福岡県柳川市で対策委員会を開いた。開門しない代わりに国が提示した100億円の漁業振興基金案について、佐賀県有明海漁協が態度を保留していることを受け、福岡、熊本両漁連の幹部は受け入れに慎重な佐賀県西南部の漁業者を直接説得する意向を伝えた。

 佐賀側は9日に開いた漁協の運営委員長・支所長会議の結果を報告。漁業不振が深刻な県西南部の漁業者の声を尊重して基金案受け入れの結論を持ち越し、当面は26日に結審見通しの福岡高裁での訴訟の推移を見守る方針を説明した。徳永重昭組合長は「他県の方も佐賀の事情は分かっておられると思う」と話した。

 協議は国の担当者も交え、非公開で2時間余り行われた。出席者によると、国側は福岡高裁で結審後、基金案を含めた和解協議を経ずに判決が出る可能性に言及した。福岡側は、タイラギ漁場の回復などを図るには3県一緒に基金を使った事業を集中して行うべきと強調。佐賀県西南部の漁業者との対話を提案し、熊本も最終的に同調したという。佐賀側は福岡の提案を持ち帰って検討する。

 福岡有明海漁連の西田晴征会長は「(佐賀が)西南部の漁業者の気持ちをおもんぱかるのは分かるが、このままでは基金案が実現しない可能性が高く、自分の思いを直接伝えたい。できないなら諦める」と話した。

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