竜のような姿をする樹齢2200年のビャクシン=佐賀市の新北神社

添え木で固定されているビャクシンの若木と説明する川浪宮司=佐賀市の新北神社

 佐賀市諸富町の新北(にきた)神社にある徐福伝説の神木「ビャクシン」の若木が、約600キロ離れた大阪府東大阪市の枚岡(ひらおか)神社へ渡る。枚岡神社では神木のビャクシンが1961年の台風で傷を負った姿のまま祭られ、新北神社では4年前に種から発芽させたビャクシンの2世が若木に成長。新北神社の川浪勝英宮司(62)は「これぞ御神縁。二つの神社の懸け橋になってほしい」と若木2本のうち1本を献木することを決めた。若木は14日、枚岡神社に向け佐賀を旅立つ。

 新北神社のビャクシンは、不老長寿の薬草を求めて中国からやってきた徐福が種をまいたと伝えられている。天に向かって昇ろうとする竜のような姿が特徴。高さ20メートル、幹回り4・1メートルで、県の「名木100選」に指定されている。

 ただ、樹齢約2200年といわれる老木のため、管理をしている久保造園(佐賀市金立町)の久保弘会長が、20年ほど前からビャクシンの2世を残そうと老木から種を採取し、発芽に取り組んできた。

 一方、枚岡神社のビャクシンは白雉元年(650年)に神武天皇が建国を記念して植えたと伝えられている。1938年に大阪府の天然記念物に指定され、神木として信仰されていた。ところが61年の第2室戸台風で倒され、現在は3メートルほどの幹だけを残して、屋根で覆い守られている。

 枚岡神社のビャクシンの存在を知った佐賀女子短大名誉教授で、新北神社の崇敬者の横尾文子さんが昨年の夏ごろ、新北神社の川浪宮司に話を持ちかけた。宮司は快諾し、育っていた若木2本のうち1本を枚岡神社に献木することを決めた。

 発芽から4年が経過したビャクシンの若木は現在、60センチほどまでに成長している。14日に新幹線で運び、枚岡神社に奉納する。15日には枚岡神社で奉納式が予定されている。

 川浪宮司は「幼い我が子を見守るような気持ち。枚岡神社のご神木として立派に育ってほしい。何百年も先まで二つの神社がつながるきっかけになれば」と目を細める。

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