現場主義の意味合いを考えさせられるやりとりだった。佐賀空港周辺で行われた米軍のオスプレイによるデモフライトに関し、「知事は体験搭乗すべきだった」と問う質疑が続いた。

 1人は知事が掲げる現場主義の観点から、1人は自衛隊の配備計画に判断を下す当事者との観点から「身をもって安全性を確認すべきだった」と主張した。知事の答弁は「乗ることよりも音を体感することを重視した」。搭乗打診があったが断ったことも明かした。

 知事の答弁を聞きながら、先日取材した佐世保市長のオスプレイ体験搭乗を思い出した。「救助活動や物資輸送で使えそう」「揺れとかヒヤリとしたこととかはなかった」。搭乗後に市長が語ったのは雑ぱくな所感。報道陣からは、搭乗を打診した自衛隊側の「安全性アピール」の思惑を指摘する声を引き合いに政治利用をいぶかる質問が出されるほど乏しい内容だった。

 現場の生の声を聞き、実情を把握して的確に政策に反映させるところに現場主義の意味がある。そこでは明確な問題意識と視点から必要な材料をくみ出せるかが問われる。単純に現場に出ればいいわけではない。それを十分承知した上での今回の知事の対応と受け止めたい。(梶原幸司)=県議会一般質問=

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