墜落現場から回収されるAH64D戦闘ヘリコプターに搭載されていた30ミリ機関砲=8日午後3時35分、神埼市千代田町

 陸上自衛隊目達原駐屯地(神埼郡吉野ヶ里町)の戦闘ヘリコプターが神埼市千代田町の民家に墜落した事故を受け、神埼市などは、住民や子どもたちが精神的な負担を抱え込まないように「心のケア」に向けて動き始めた。学校では心的外傷後ストレス障害(PTSD)になっていないかを把握するチェックシートを配布。住民に対しては保健師が現場近くを個別に回り、相談窓口を案内している。 

 千代田中部小と千代田中は、睡眠や食事の状況などに加え、急に不安になることがないかを尋ねる調査を全校生徒・児童を対象に始めた。神埼市教育委員会によると、登校してきた児童生徒に今のところ目立った変化はないと説明するが、佐賀県からスクールカウンセラー3人の派遣を受け、チェックシートの回答で気になる点があれば面談や授業の様子の観察をする。

 現場から約200メートルの認定こども園「大立寺幼稚園・子どもの家保育園」でもアンケートを実施する。平尾道代副園長(50)は「園ではみんな明るい表情を見せてくれているけれど、『万が一』を見逃さずに気に掛けたい」と話す。

 市は8日から、保健師8人が地元の丙太田地区と嘉納地区約120戸を対象に、心身に異常があった場合に相談を受け付けるチラシを配り、声掛けもしている。健康増進課は「知らず知らずのうちにストレスがたまっているケースがある。県と連携して適切にケアしていきたい」と話す。

 県臨床心理士会被害者・緊急支援部会の五頭樹理理事は「一般論として、不安などの症状が出るのは多くが『直後』だが、1カ月は様子を見ておく方がいい」と指摘する。子どもに寄り添うためには「大人のケアも重要」と話し、「思っていることや恐怖を誰でもいいので聞いてもらう、体を動かすなどリフレッシュを心掛けてほしい」と呼び掛けている。

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