オストメイトのハンドブックを作成した日本オストミー協会佐賀県支部の(右から)中嶋巧支部長、原田俊二副支部長=佐賀市

日本オストミー協会佐賀県支部が作成したオストメイトのハンドブック

 病気などが原因で人工の肛門や膀胱(ぼうこう)を設けた人たち「オストメイト」の支援に向け、患者団体の「日本オストミー協会佐賀県支部」がハンドブックを作った。県内の専門外来や相談窓口に加え、器具の洗浄に対応している公共施設のトイレ一覧や、災害時の備え方などを盛り込んでいる。3千部を印刷して当事者や市町、病院に配布するほか、啓発に役立てる。

 オストメイトは、大腸がんや膀胱がんの手術を受けた中高年層に多い。炎症性腸疾患(IBD)などの難病で施術する若年層もいる。括約筋がない腹部に施すために排せつを我慢することができず、袋や、袋を取り付ける土台からなる装具で管理している。

 ハンドブックはA5判、36ページ。皮膚や排泄(はいせつ)のケアをする認定看護師がいる県内9病院や、障害者のための相談窓口を列記した。外出先でも安心して装具を交換できるように、公共施設のトイレに専用の流しやシャワーがあるかどうかもまとめた。出掛けるきっかけをつくろうと、障害者手帳で割引が受けられる観光施設も紹介している。

 熊本地震などを教訓に災害対策も明記し、装具は最低でも2~4週間分を準備しておくことや保管などの留意点を盛り込んだ。

 オストメイトには「外出」「災害」「老後」の三つの不安があるという。支部長の中嶋巧さん(67)は「一見しただけでは分かってもらえない。避難所のトイレで装具の交換に時間がかかり、冷ややかな目を向けられ、仕方なく壊れた自宅に戻ったという話も聞いた」と述べ、地域社会の理解を促すためにハンドブックを活用する考えを示す。

 県内のオストメイトは約1400人。中心的に編集に携わった副支部長の原田俊二さん(66)は「不安や悩みに、同じ経験者として応えたい」と話し、ハンドブックには交流会の情報も書き添えている。

 問い合わせは原田さん、電話090(7446)2060。

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