抗菌性を高めた人工股関節を手にする馬渡正明教授=佐賀市の佐賀大学鍋島キャンパス

 佐賀大学と京セラ(京都府)が共同開発した抗菌性を高めた人工股関節が、経済産業省の「ものづくり日本大賞」特別賞を受賞した。酸化銀を人工関節の表面に塗ることで、術後の感染症の発生を抑える。脊椎や膝など股関節以外の関節への応用も期待されている。

 人工股関節の手術は、股関節の形成不全などで起きる痛みを解消するために実施されるが、細胞が侵入して起きる感染症の防止が課題になっている。

 骨の主成分ハイドロキシアパタイト(HA)を塗ることで骨の形成を促す京セラの技術を応用し、医学部整形外科学講座の馬渡正明教授(58)を中心に2005年から共同研究を重ねてきた。抗菌素材の銀をHAに混ぜることで、骨の形成力を保ちながら抗菌性を高めることに成功した。銀の濃度を変えながら実用化を進め、16年4月から佐賀大附属病院で使用している。

 これまでに全国の病院で2千件以上の手術例があり、感染症の発生は報告されていないという。医学部病因病態科学講座の宮本比呂志教授とともに受賞した馬渡教授は「日本発の技術であり、海外にも広まってほしい」と今後の展開に期待している。

 授賞式は5日に東京都で行われた。

このエントリーをはてなブックマークに追加