「虎がたばこを吸っていたころ…」という決まり文句から、韓国の民話は始まる。虎がしま柄になったのは、たばこをくわえたまま居眠りしたせいだという話もあるから、虎がまだ虎になっていなかった大昔ということなのだろう◆韓国の人々に親しまれる虎をマスコットに据えた「平昌オリンピック」が、いよいよ開幕する。気がかりは、ぶしつけに参加を決めた北朝鮮の存在である。本来なら、大会直前は各国の代表選手たちにスポットライトが当たるはずが、どうにも場違いな主役に振り回されがちな感がある◆『民話で知る韓国』(ちょん・ひょんしる著、生活人新書)によると、民話に出てくる虎たちは「怖い存在、神獣、弱い者の知恵によって打ち負かされる滑稽な存在」という。いくつもの顔を持つが、北朝鮮もまた、平和の祭典にかこつけて硬軟ふたつの顔を使い分けているとしか思えない◆平昌五輪のマスコット「スホラン」は、虎は虎でも「白虎」がモチーフ。守り神として、選手や観客を保護するという決意が込められているのだとか。17日間にわたる大会の無事を祈りたい◆「両虎の闘い」という表現がある。際立った者同士が争うさまを指す。五輪はまさに、選ばれし虎たちの舞台だろう。今回は時差もなく、寝不足を気にせず応援に没頭できそうだ。がんばれ!ニッポン!(史)

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