「私たちは『内なる敵』とどう闘うのか」と題して講演した門田隆将氏=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

 佐賀新聞社主催の佐賀政経懇話会の発足50周年を記念した政経セミナーとの合同例会が6日、佐賀市で開かれ、ジャーナリストでノンフィクション作家の門田隆将氏が「私たちは『内なる敵』とどう闘うのか」と題して講演した。門田氏は緊張が高まる朝鮮半島情勢を引き合いに、海外邦人の保護や救出について「相手国の同意などが必要な今の安保法制では現実的に難しい」と指摘、具体的な議論の必要性を提起した。

 門田氏は1993年、週刊新潮のデスク時代に書いた北朝鮮の弾道ミサイル「ノドン1号」発射に関する記事を紹介し、「25年たって変わったのは北朝鮮の核技術だけで、国民の生命、財産をどう守るのかという国内の議論は進んでいない」との認識を示した。

 その上で、朝鮮半島の有事の際の邦人保護に関し、安保法制の課題を指摘。「自衛隊を派遣するためには、救出に向かう相手国の同意、相手国との連携が見込まれる、その国の秩序と安全が維持されていることが条件で、この要件クリアは難しい」と問題視した。

 また、1985年のイラン・イラク戦争の際、日本から救出機は飛ばずにトルコが航空機を出してイラン国内の邦人を救出したエピソードを紹介。「安全が保障されていないという同じ理由で、片方は飛び、片方は飛ばなかった。いつから日本はそんな国になったのか」との救出に尽力した日本人の言葉を引用し、問題意識を持つよう促した。

 講演は約60人が聴講。講演後は祝宴があり、会員同士で交流を深めた。

 佐賀政経懇話会・政経セミナーは、佐賀県の政治・経済の発展を目指し、中央や地方の情勢を早く的確に会員に提供しようと1968年に発足した。

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