40歳以上の女性を対象にした出張マッサージを起業する森きみ子さん=江北町

 先天的に目が見えない60代女性が15日、出張専門のマッサージ事業者として起業する。自らも年齢を重ね、体調の変化を実感してきた経験から、対象者を「子育てと更年期障害などが重なる忙しい40歳以上の女性」とし、「明日を頑張る女性を応援したい」と意気込む。

 起業するのは、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持つ江北町山口、森きみ子さん(63)。県視覚障害者団体連合会の会長も務める森さんは、仕事を早期退職したこともあり、公的保険対象の訪問マッサージをパートタイムで行っても生計を立てることが難しくなり、一念発起した。

 車の送迎を担ってもらう有償ボランティアを依頼したり、独りよがりのサービスになるのを避けるため10~15人に協力を募り定期的に意見を寄せてもらう「サポーター制度」をつくったりして、準備を進める。

 起業の背景には、視覚障害者の職業的自立に関する懸念もある。近年、リラクセーション産業が拡大し、視覚に障害がない人が働く民間の事業所が増加し、視覚障害者が働く場が狭まっていると感じるからだ。「弁護士などの職業に就く例はあるが、あくまで一握り。視覚障害者を巡る就労環境についても関心を持ってもらうきっかけになれば」と話す。

 午前9時から午後8時まで受け付け、施術は1回50分で3千円、別に出張料(肥前山口駅から8キロ未満500円など)が必要。初回体験は30分で千円。

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