陸上自衛隊のAH64D戦闘ヘリの機体の一部(左上)が残る墜落現場を調べる自衛隊員ら=6日午前9時52分、佐賀県神埼市(共同通信社ヘリから)

陸上自衛隊のAH64D戦闘ヘリが墜落、住宅が炎上した現場で、早朝から続く検証作業。左下には機体後部とみられる残骸が見える(赤丸内)=6日午前11時ごろ、神埼市千代田町(小型無人機ドローンで撮影)

 陸上自衛隊目達原駐屯地(佐賀県神埼郡吉野ヶ里町)のAH64D戦闘ヘリコプターが神埼市千代田町の住宅に墜落、炎上した事故で、小野寺五典防衛相は6日、飛行直前に、翼と回転部をつなぐ部品「メインローター(主回転翼)ヘッド」を交換していたことを明らかにした。飛行中にメインローターが分離してほぼ垂直に落下したとみられ、陸自などは整備に問題があった可能性も視野に事故原因を調べている。

 佐賀県警は同日、行方不明になっていた機長の斉藤謙一2等陸佐(43)の遺体が破損した機体の下から見つかったと発表した。陸自や県警などは業務上過失致死と航空危険行為処罰法違反の容疑で現場検証し、フライトレコーダー(飛行記録装置)を回収した。今後データの解析を進める。ヘリは駐屯地を離陸して2分後の交信では異常はなかったが、その5分後に墜落していたことも分かった。

 陸自によると、ヘリは5日に駐屯地で定期検査を終えた後、飛行試験のために午後4時35分に管制官の許可を受けて36分に離陸。38分の管制官との交信でトラブルはなかったが、43分に管制官が目視で機首から下へ向かう異常を確認し、ヘリからの応答もなかった。ヘリは駐屯地から6キロ先で墜落した。搭乗していたもう1人の副操縦士の高山啓希1等陸曹(26)は5日に死亡が確認された。

 防衛省などによると、事故機のメインローターヘッドは1750時間の飛行後の交換時期が来ていて、飛行50時間ごとの定期検査に加えて交換を行った。陸自が所有するAH64Dは13機で、交換するのは3例目だった。事故機は2006年3月に導入していた。

 墜落したヘリには微量の放射性物質を含んだ部品が使用されている。陸自は6日、現場などの放射線量を測定し、異常はなく身体への影響がないことを確認した。武器や弾薬なども搭載していなかった。

 墜落事故を受け、佐賀県は防衛省に対して墜落の原因究明と再発防止に万全を期すことを要請した。副島良彦副知事は6日未明、現地入りした大野敬太郎防衛政務官と県庁で面会し、被災者への丁寧な対応とともに、しっかりとした現地調査を求めた。県が設置していた災害情報連絡室は6日、廃止した。(取材班)

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