校外学習で見学に訪れ、武廣さんの話を聞く児童=佐賀市の旧枝松酒造

 時代の流れとともに役割を終え、ひっそりと息をひそめていた醸造所「枝梅酒造」(佐賀市八戸1丁目)が、官民の支援を受け、その歴史的価値を残しつつ、多くの人々が集う場所に生まれ変わろうとしています。

 旧長崎街道に残る唯一の造り酒屋の建物は歴史的価値が高く、佐賀市が道路に面した3棟(母屋、精米所、倉庫)を買収し、2月中旬から改修工事が始まります。

 一方、所有者からの寄付を受け、奥の醸造所部分を委託管理することになったのはNPO法人「まちの根太」(武廣正純代表)。武廣さんは管理者となって以来、時にはボランティアの力も借りてコツコツと整理清掃を続けてきました。

 先月は佐賀大学大学院都市工学専攻(後藤隆太郎准教授)の学生による「地域デザイン演習『旧枝梅酒造の未来を考える!』」を開き、いろいろなアイデアを出し合いました。西の蔵には木工作業用の器具や裁縫用ミシンを置き、誰でも自由に使える空間に。北の蔵1階は10区画ほどに区切ってテナントを募集。2階はゲストハウスに。東の蔵は賃貸のイベントホールに、と徐々に整備していく計画です。

 先月末には日新小3年の子どもたちが校外学習で枝梅を訪れ、醸造施設や昔のお金に興味津々。子どもたちにとっては後の文化財保護の心を育てる大事な時間となったことでしょう。

 老若男女国籍を問わず多くの人の集う場所づくりを目指すNPOですが、建物は傷みがひどく改修には莫大な資金が必要です。補助金やクラウドファンディングなどを使った資金調達はもちろんですが、より多くの方々にご寄付ご協力を呼び掛けています。

 詳しくはインターネット「旧枝梅酒造」で検索してください。(地域リポーター・川原理子=佐賀市)

このエントリーをはてなブックマークに追加