陸自ヘリ墜落で取材に応じ、厳しい表情を見せる小野寺防衛相=5日午後6時25分、防衛省

 防衛省職員も「聞いたことがない」「記憶にない」と戸惑う前代未聞の自衛隊ヘリの民家墜落事故。職員らは深夜まで状況確認や現地対応に追われた。小野寺五典防衛相は省内や官邸で何度も記者団に対応し、沈痛な表情で「申し訳ない」と謝罪を繰り返した。 

 墜落現場となった民家の家族と周辺住民に、「心からお詫び申し上げます」と語った小野寺防衛相。民家の小学生女児について「大変怖い思いをしたと報告を受けている。このようなことはあってはならない」と厳しい表情を見せた。佐賀県の山口祥義知事と神埼市の松本茂幸市長に電話し、謝罪と再発防止に取り組むことを伝えた。

 防衛省のロビーや広報室には大勢の記者が詰め掛けたが、現場の混乱を反映するように情報も錯綜(さくそう)した。小野寺防衛相は当初、事故機に搭乗していた2人とも心肺停止と発表したが、2時間後には1人行方不明と訂正した。「捜索中の隊員は操縦席の前方にいたが、中の状況を確認できるまで近付けていない。今後、確認する中で(隊員を)発見していきたい」と説明した。

 あわや民間人が犠牲となる大惨事になりかねなかった今回の事故。ヘリが所属する目達原駐屯地(神埼郡吉野ヶ里町)も緊迫した空気に包まれた。午後5時40分ごろ、救急車など数台が駐屯地内から慌ただしく出動。事実確認や今後の対応をする隊員を乗せた車両が次々と往来した。

 「計器類の異常による着陸の可能性、ヘリの機種しか分かっていません」。駐屯地入口の受け付けで、広報担当者が早口で答えた。駐屯地での記者会見を開くかどうかも回答は目まぐるしく変化した。約2時間半、舞い散る雪の中で駐屯地の対応を待った報道陣に対し、広報担当者は「広報が3人しかおらず、連絡調整や情報収集に追われているのが現状。(事故の)内容をまだ詳細に把握していません」とため息をついた。

このエントリーをはてなブックマークに追加