経済産業省は5日、東京電力の経営改革のほか、福島第1原発(1F)の廃炉や賠償問題を検討する「東電改革・1F問題委員会」(東電委員会)の会合を開き、政府が東電の経営を主導する「実質国有化」の状態を延長する方針を示した。現行の計画では2017年4月から関与を徐々に減らす予定だったが、原発事故の処理費用が大きく膨らむことを踏まえ、廃炉や賠償などで国の関与を続ける。

 会合は5回目。東電委は年内に提言案をまとめる計画で、東電支援の議論は大詰めを迎えた。

 新しい案では、小売りや発電などの「経済事業」と、廃炉や賠償などの「福島事業」に分け、福島事業の公的管理を継続する。経済事業は早期に自立させる方針。福島事業を分離することで、原発や送配電事業を巡る業界再編に他社が参画しやすくする狙いもある。

 経産省は、東電の収益の柱となる柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向け「先進的な他電力の協力もちゅうちょなく要請」する方針も改めて示した。他電力が関わることで、東電への地元の不信感を和らげ、再稼働につなげたい考えだ。

 政府は原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて東電の50・1%の議決権を持ち、経産省職員を送り込んで経営を主導している。機構は、東電の組織改革などの達成状況を確認する「経営評価」を17年3月末に実施し、国の関与を減らすかどうか判断する。【共同】

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