漁協5支所、結論出ず 基金案受け入れ

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の開門問題で、佐賀県有明海漁協が開門を前提としない100億円の漁業振興基金案の受け入れ検討に入ったことを受け、漁業不振が特に深刻な県西南部地区の漁協5支所は3日、合同で対応を協議した。出席者によると、賛否両論が出たが、現時点で判断できる状態ではないとして結論は出なかった。再び会議を開く考えで、結論までの期限は区切らない方針。 

 福岡高裁での和解協議を控え、国から態度表明を求められている10日には佐賀、福岡、熊本3県の漁業団体が諫早湾干拓事業対策委員会を開く予定。佐賀はその前に最終方針を協議するが、しこりを生まないよう、多数決は採らない考えを示唆する。今回の会議を受け、徳永重昭組合長は「干拓事業の影響が大きい西南部は特に慎重になるだろう。(委員会は)現状を報告する形しかないのではないか」と述べた。

 漁協鹿島市支所での会議には、各支所の運営委員や青年部のメンバー約70人が出席し、冒頭以外非公開で1時間余り協議した。

 出席者によると、「何なりと成果を出さなければいけない」と提案に理解を示す声の一方、「これまで何百億円と使っているのに100億円で再生が可能なのか」「国は基金で終わりにしようとしている」と反対意見が続いたという。

 西南部地区協議会会長の岩永強・新有明支所運営委員長は「先が見えないというのが皆さんの一番の不安。賛成・反対以前に、国の対応に不信感があった」と総括し、「十何年とこの問題を討議してきたのに、今すぐ結論を出すというのは無理」と語った。

 国は福岡高裁での和解協議を進めるため、漁協に基金案への理解を促している。漁協は1月末、国に「基金と別枠での排水ポンプ増設」など3点を求める条件付きで受け入れの検討を始めた。

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