子どもたちを指導する岡本篤郎さん(中央)=鳥栖市桜町の鳥栖卓球センター

1月の全日本卓球選手権で優勝した張本智和選手のサイン=鳥栖市桜町の鳥栖卓球センター

 10代の活躍で卓球がかつてないような盛り上がりを見せる中、鳥栖市桜町に昨年12月、「鳥栖卓球センター」がオープンした。卓球台6台を設置できる十分な広さと、良質な床と照明を備えた本格的な卓球場だ。会社を辞めて指導者になる夢を実現した岡本篤郎(あつろう)さん(48)=同市蔵上=は「2023年佐賀国体の県代表を輩出したい」と張り切っている。

 岡本さんは山口県出身で、宮崎市の中学に入学してから卓球を始めた。初めて出場した同市の大会で優勝して夢中に。40歳の時には全国大会も経験した。

 指導者を目指すきっかけは2004年のアテネ五輪前のこと。国民的人気者の福原愛選手を特集したテレビ番組を見て「うちの4歳の双子にも五輪を目指させよう」とひらめく。転勤族の岡本さんは当時住んでいた愛媛県内の卓球場に子どもたちを通わせ始めた。

 以降、転勤する度に地元の強豪クラブに入会した。宮城県では、1月の日本選手権を14歳で制した張本智和選手の父親が経営するクラブに所属。この年、小2となっていた長女彩里(あやり)さんは全国大会で3位に入った。優勝したのは同い年の伊藤美誠(みま)選手。1月の日本選手権で3冠を達成した、あの伊藤選手だった。

 岡本さんは全国の強豪クラブの練習ノウハウを蓄積するうちに「自分の卓球場を持って指導したい」との思いが募っていった。16年7月に思い切って退社し、両親が暮らす太宰府市を拠点に候補地を探し始めた。福岡市などには本格的な卓球場があったので鳥栖市に絞り込んだ。一人の知人もいなかったが、基里中の体育館を借りて指導を始める傍ら、市内を歩き回り、運送会社の敷地内の建物を借りることができた。

 「小学生のころから卓球をしたかった」という基里中1年の木谷颯太(そうた)さん(12)は入会1カ月後の全日本選手権鳥栖地区予選でいきなり3位に。卓球台を買ってもらい自宅でも練習を始めている。石川佳純選手のファンという小2の花田朋佳(ともか)さん(8)は「サーブが決まったらうれしい」と話す。

 岡本さんは目標としてジュニア層の育成、ミドル層の健康維持、シニア層の卓球療法の三つを掲げる。卓球療法士という資格も取得した。「子どもたちには佐賀国体を目指してもらい、ミドルやシニア層には競技プラス生涯スポーツとして楽しんでほしい」と話している。

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