技能検定の部門の統廃合について取りまとめた有識者会議=東京・霞が関の厚生労働省

 職種ごとに技術習得レベルを評価する国の「技能検定」制度を巡り、厚生労働省の有識者会議は31日、佐賀県と関わりの深い「陶磁器製造」部門について「存続させることは困難」とする報告書案を取りまとめた。受検者数の減少が主な理由で、4月に申請を受け付ける次回試験を実施した上で、受検者が基準の90人に満たなければ廃止となる。

 厚労省の技能検定は126の職種があるが、受検者数が一定数に満たない部門は有識者による検討会に諮って統廃合を進めている。

 陶磁器製造部門は1976年度に設けられ、手ろくろ成型や絵付けなど五つの職種があった。初年の受検者は300人近かったが、その後、減少が進み、78年度からは検定の継続基準を下回っている。職種も統合、休止され、現在は絵付けのみが3年ごとに実施されている。

 報告書案は、受検者減少の背景として、絵付けしない陶磁器の産地もあることや、量産的な製造では手描きの絵付けの技能が必ずしも必要ではなくなっていることが複合的に影響していると考察した。今後、受検者を安定的に確保する見通しは立たず、「国家検定として従前通り存続させることは困難」と結論付けた。

 ただ、3年に1度の試験に向けて既に準備してきた受検者に配慮し、18年度試験は予定通り実施し、その受検者数が継続基準の90人を割り込むか改めて確認した上で、廃止するとした。報告書は2月に厚労省のホームページに掲載する。

 検討会は業界団体から意見を聴取した。その中では「廃止により技能向上の目標を失い、製品への付加価値をアピールする機会を失う」など弊害を訴える声が寄せられていた。

 廃止の方向性に対し、窯元などでつくる佐賀県陶磁器工業協同組合の百武龍太郎専務理事は、産地の技術力低下や技術継承への影響を懸念する。「伝統産業を守るためにも、受検者数だけで切り捨てるのは危険」と話す。今後、各産地の業界団体などと連携し、受検資格者へのPRや検定継続に向けた厚労省への働き掛けを検討している。

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