ロボットという言葉を創ったのは、チェコの作家カレル・チャペックである。1920年発表の戯曲『R・U・R』の中でのことだ。チェコ語の「奴隷労働」を意味する「ロボタ」が語源という◆戯曲に登場するロボットは、人と同じ血肉を持つ人造人間。疲れを知らず文句も言わずに働くロボットによって、人間は労働から解放されるが、いつしかロボットが人間を支配するという怖いシナリオである◆そんな世界からはほど遠い、なんとも愛らしいしぐさの犬型ロボット「aibo(アイボ)」。ソニーが新たに発売して話題になっている。旧製品の生産を停止し、ロボット事業から撤退して以来、12年ぶりの復活。今度は人工知能(AI)を搭載してのお目見えである◆周囲をカメラやセンサーで把握、AIを駆使して行動を決めるとか。ネットにつなぎ、さまざまな情報を蓄積し学習する仕組みだ。人手不足が深刻化するこの時代、補う役割を担い、ますますロボットに耳目が集まる◆チャペックはロボットの誕生で楽を覚え、堕落していく人間社会に警鐘を鳴らした。「鉄腕アトム」の生みの親で、今年が生誕90年になる手塚治虫さんは、ロボットと仲良く共生しようというメッセージを発した。進む未来に、どんなロボットとの関係が待ち受けるのか。私たち人間の考え方次第だろう。(章)

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