荘中学校の生徒(左から2人目)からツルについて学ぶ4年生=伊万里市の東山代小学校

映像を見ながらツルの羽数調査を疑似体験する児童たち=伊万里市の東山代小学校

■出水市の中学生訴え、東山代小で交流授業

 毎年1万羽以上のツルが越冬する鹿児島県出水市から荘(しょう)中学校の2年生3人が3日、伊万里市のツル飛来地「長浜干拓」に近い東山代小を訪れ、4年生(63人)と特別交流授業を行った。ナベヅルとマナヅルの越冬は出水市に一極集中しており、中学生は「伊万里も越冬地に」と分散化に理解を呼び掛けた。

 荘中はツルの越冬数調査で50年以上の実績を持つ。特別授業では、飛んでいるツルの映像を見ながら羽数を数える調査を東山代小児童も疑似体験した。

 出水市では11月、死んだナベヅルから高病原性の鳥インフルエンザウイルスが検出された。生徒は「ツルが一カ所に集まり過ぎていて、一気に病気が広がってしまう恐れがある」と越冬地の分散化を訴えた。

 グループ別の交流で「伊万里でもっと越冬してほしい?」と尋ねると、東山代小の児童数人は「鳥インフルエンザがあるので嫌」と答えた。荘中生徒は「人にうつらないので安心して」と説明。交流授業を主催した環境省九州地方環境事務所の横田寿男・野生生物課長も「ツルがウイルスを持ち込むのではなく、カモなどから感染している」と補足した。

 長浜干拓は大陸から出水市を結ぶルート上にあり、2002~15年に4390羽が飛来し、95羽が越冬した。03年に環境省から越冬分散候補地に認定され、餌を与え、デコイ(模型)を置くなど誘致を進めたが、鳥インフルエンザ問題が浮上して4年前から監視活動にとどめている。

 横田課長は「越冬地分散は、受け入れ地域の理解がなければ実現できない。鳥インフルエンザの問題で前に進んでいない」と厳しい実情を語った。

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