山口知事と秀島市長の非公開会談の記録(左が佐賀市作成、右が県作成)

 佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画を巡り、公害防止協定の解釈について、佐賀県知事と佐賀市長が昨年末に実施した非公開会談。県と市は、会談記録を公文書としてどうまとめているのか。佐賀新聞社が両者に情報公開請求したところ、市は知事と市長の発言を区別してA4用紙3枚にまとめているのに対し、県側は同1枚に7行でまとめていた。識者は「後世でも内容を把握できる記録が望ましい」と指摘する。

 会談は12月25日に市役所であり、山口祥義知事と秀島敏行市長が約30分間、意見を交わした。担当職員が同席し、要点をメモした。会談後、知事と市長は記者団の取材に応じた。情報公開請求を受け、県と市は、それぞれ1月22日に会談記録を開示した。

 県が開示した「会議記録」は、A4用紙1枚で、会議名、議題、日時などが記載されている。

 「会議結果」として、公害防止協定に関する市長の認識を確認▽市長とは、先に協定を見直すのではなく、漁業者の思いが大切ということを確認▽安全や保障に関する枠組みなどについて国と協議を行っていることを説明―などと3項目を記載した。

 記載内容について担当の政策部調整監は、会談の目的がそれぞれの認識の確認だったことから「今回はトップ同士が会談したことと、その確認結果を公文書として残しておけば十分と判断している」と説明した。

 市が開示した報告書はA4用紙3枚で、作成した職員名もある。秀島市長が新聞記事も使いながら「(防衛省の)要請と切り離して、先に公害防止協定を見直すべきという趣旨ではないこと」や「市は立会人であり、県にどうこういう立場ではないこと」などを発言したことを記載している。

 協定当事者の思いや重みに触れたことや、県議会、市議会で2010年3月に決議した米軍普天間飛行場の佐賀空港への移設に反対する決議にも言及したことなどが記されている。

 山口知事から「国からの要請に真摯(しんし)に対応しなければならない立場」「漁業者の思いを大事にするという立場は変わらない」「協定を締結した経緯や先人たちの思いについてはしっかり受け止める必要がある」との趣旨の発言があったと記録した。

 面談結果として「県議会議員がおっしゃるような、今回の要請と切り離して見直しだけを先にやる趣旨ではないこと」「漁業者の思いが大事であること」を両者で確認したとまとめた。

 県と市も会談は録音しておらず、詳細な発言録は存在しないとしている。

 公文書管理に詳しいNPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「両者にどのようなやりとりがあって、確認や合意に至ったのか、行政が説明する際に記録が必要になる」と指摘。「結論が出るまで長期間かかるような案件は、担当者が代わることもある。県民の関心が高い案件で、行政のトップ同士の会談でもあり、時間が経過しても状況を把握できる記録を残すべき」と話す。

 

 ■公文書

 職員が職務上作成、取得した文書や写真、図面、メールなどの電子記録で、組織的に用いるものとして自治体などが保有しているもの。県と佐賀市はそれぞれ「文書規程」で保管期間を1年、3年、5年、10年、永久と5段階に分けている。議案などは永久、日誌や日報は1年などの基準があり、課長などの所属長が判断する。

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