基礎の底からカキの貝殻が見つかり、松ぐいを打ち込むなど珍しい工法が見られる=佐賀市川副町の三重津海軍所跡

大型建物跡について説明する中野充さん(中)=佐賀市川副町の三重津海軍所跡

 佐賀市川副町、諸富町の世界遺産「三重津海軍所跡」で見つかった大型建物跡が27日、一般公開された。佐賀鍋島藩の初期造船事業を解明する重要な手がかりとなる遺構を、地元住民や歴史愛好家らが興味深げに見学した。

 同市教委文化振興課の産業遺産調査担当の中野充さんらが案内役を務めた。幕末期の1850年代に蒸気船建造計画を表した「三重津御船屋絵図」に記された材木小屋である可能性を考えており、建築の専門家と特定を進めていくことを紹介。くいの配置などから、最大で約640平方メートルの大型建物と推計されると説明した。

 建物基礎の底部分にカキの貝殻を使い、松ぐいを地面に直接打ち込むなど珍しい工法が使われている点も指摘した。「軟弱地盤に重い建物を建てても沈まないようにした先人の知恵が随所に見られる。現代の土木建築工事にも活用できる可能性がある」と建築史的にも意義深い点を強調した。

 父親、子ども2人と訪れた近くの公務員、江口善信さん(36)は「予想以上にきれいに残っていた。こんなにすごいものが地元にあるという誇りを、子どもたちが感じてくれれば」と語った。

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