春夏を通じて甲子園初出場が決まった伊万里高校の選手たち=伊万里市の同校

 第90回選抜高校野球大会出場校一覧

 第90回記念選抜高校野球大会の選考委員会が26日、大阪市で開かれ、21世紀枠の伊万里など出場36校が決まった。伊万里は昨秋の佐賀大会で準優勝し、135季ぶりに九州大会に出場。学業と部活動の両立や地域を挙げた支援体制などが評価された。学校創立102年で春夏通じて初の甲子園となる。

 このほか、九州からは昨秋の九州大会を制した創成館(長崎)、同準優勝の富島(宮崎)、東筑(福岡)、延岡学園(宮崎)の4強が一般枠で順当に選ばれた。

 21世紀枠は伊万里のほか、初出場の由利工(秋田)、59年ぶり4度目の出場となる膳所(滋賀)に決まった。初出場は乙訓(京都)、富島(宮崎)など10校で、最多出場は東邦(愛知)の29度目となっている。

戦力分析 接戦制す粘り強さ期待

 昨秋の佐賀大会は、2死から得点を挙げる粘り強い攻撃で勝ち上がり、67年ぶりの九州大会出場を決めた。3回戦で佐賀商に5-4、準決勝の多久戦では2-1と接戦に強い。吉原彰宏監督は甲子園でも「接戦に持ち込みたい」と話す。

 主戦は佐賀大会5試合で防御率2・03と好投し、九州大会で強豪・沖縄尚学を中盤まで抑えた山口修司。カーブ、スライダー、チェンジアップと制球には自信があり、大崩れしない。

 主将で遊撃の犬塚晃海、中堅手の古賀昭人らのセンターラインを機能させ、守備からリズムをつくりたい。

 昨秋から4番を務める梶山勇人は佐賀大会の打率が4割で長打力もある。切り込み役の1番犬塚や古賀も勝負強く、得点機を逃さない。

 県内有数の進学校で週に3日は7限授業。90分という短い時間で密な内容となるように、練習は分刻みのスケジュールで進む。最近1カ月では、体幹強化を目指して3メートルの竹ざおを用いる素振りを取り入れ、2ストライク2ボールからの紅白戦など実戦的なトレーニングを行っている。

■うれしさで手震えた

 伊万里・犬塚晃海主将の話 6限目の授業中に校内放送で選抜出場を知り、うれしさで声が出ず手が震えた。チームの持ち味は少ない好機を逃さず、持てる力を出し切るところ。どこからでもチャンスがつくれる隙のない打線を目指し、残り2カ月でできることに精いっぱい取り組みたい。

 

伊万里高 1916(大正5)年、伊万里町立伊万里実科女学校として開校。49年に県立伊万里高校となり、2015年に創立100周年を迎えた。全日制普通科で生徒数は595人(男子279人、女子316人)。半世紀以上続く理化・生物部のカブトガニ研究が有名。伊万里市二里町。

=県勢の選抜出場歴=

第27回(1955年)佐賀商

第33回(1961年)唐津実

第40回(1968年)佐賀工

第45回(1973年)唐津商

第56回(1984年)佐賀商

第61回(1989年)龍谷、佐賀商

第64回(1992年)佐賀商

第72回(2000年)佐賀商

第73回(2001年)神埼、鳥栖

第76回(2004年)佐賀商

第78回(2006年)伊万里商

第79回(2007年)小城

【関係者ひと言】

■伊高健児らしく頑張れ

 山口祥義知事の話 「何事も願ひさえすれば、願ひ出すものなり」。これは葉隠の中でも私が特に好きな言葉です。今回の初出場は選手が文武両道に励んできた結果であり、地域の方々の願いが結実したものでしょう。甲子園では伊高健児らしく頑張ってください。

■九州代表の意識持って

 県高野連・吉冨壽泰理事長の話 選ばれて本当によかった。県代表としてではなく、九州代表という意識を持って、はつらつとした野球を見せてほしい。全国の強豪校と渡り合える力があると期待している。あと2カ月練習を頑張り、まずは1勝を挙げてほしい。

【選考事情】 地区上位校順当に選出

 昨秋の地区大会上位校を順当に選出したが、四国だけは逆転現象が起きた。4校目に四国大会4強の高松商(香川)ではなく、同8強の高知を選出。ともに準優勝した英明(香川)と戦った中で、高松商が準決勝で2―12と大敗したのに対し、高知が準々決勝で7―8と善戦したことが評価された。

 21世紀枠の東日本は、統廃合が検討される中、野球部員が中心となって学校改革に取り組んだ由利工が選ばれた。西日本は野球人口の底辺拡大に尽力する伊万里に決定。3校目はデータを管理する専門部員を置き、新たな野球との関わり方を提唱する膳所が切符をつかんだ。

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