特殊なハエの幼虫を使って作られた肥料(左)と飼料

 ハエを使った畜ふん活用の流れ

 畜産農家にとって処理が悩みのウシやブタなどのふんを、特殊なハエの幼虫を使って1週間程度で肥料にする手法を福岡市のベンチャー企業「ムスカ」が確立した。業者に処理料を支払う例も多いが、この技術を使えば無償で引き取れるといい、畜産農家の経営安定につながる可能性がある。

 この手法は、約45年間かけて交配を重ねたことで繁殖力を大幅に高めたイエバエを活用。専用のトレーに卵を置いて家畜ふんや廃棄食品といった有機物を敷くと、ふ化した幼虫の消化酵素が臭いを出さない肥料に変えるという。これにより、通常は数カ月以上かかる堆肥化までの時間が大幅に短縮できるとされる。

 その後、幼虫やさなぎは乾燥させることで、家畜や養殖魚の飼料として二次利用できる。串間充崇社長は「ハエの力で質の良い肥料、飼料を作り、1次産業を支えたい」と話しており、大量のイエバエを培養する技術も宮崎県都農町の研究所でめどが立ったという。

 ムスカは、畜産が盛んな宮崎県などを候補に、1日100トン超を処理できる大型の実証プラントを2018年度中にも着工したい考え。畜産業が盛んな地域のほか、海外展開も描く。ただ工場を建設する資金が集まっておらず、融資や投資を広く募っている状況だ。

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