九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の再稼働に関連し、重大事故時に甲状腺被ばくを軽減する目的で服用する安定ヨウ素剤について、佐賀県は6日、半径5~30キロ圏に住む一部住民にも事前配布を検討する考えを示した。緊急時に受け取りが困難な高齢者や障害者らを念頭に、市町や国と協議していく。

 県議会一般質問で、藤原俊之県健康福祉部長が明らかにした。事前配布は現在、5キロ圏内の住民に限られている。避難計画を精査する過程で、より細やかな対応が必要と判断した。

 国は避難時に移動手段がないなどの理由がある高齢者や障害者らには、県の判断で事前配布を認めており、他県の事例も参考にしながら個別に配布方法を検討していく。長崎県松浦市の鷹島では、全住民が事前配布の対象となっている。

 県医務課によると、5~30キロ圏の住民が服用するヨウ素剤は現在、公共施設や学校などに備蓄されており、国が必要と判断した場合に限り、避難時の集合場所などで配布される。

 11月に策定した広域避難計画に当たる玄海地域の緊急時対応で、避難時の集合場所だけでなく、避難経路上にある12カ所でも配るよう見直した。被ばくの有無を調べるスクリーニングを行う12カ所でも配布する。

 中国電力島根原発が立地する島根県では、5~30キロ圏で申請書を提出した住民に対し、説明会に参加してもらった上で事前に配っている。このほか、関西電力高浜原発(福井県)から約50キロの兵庫県篠山市や、日本原子力発電東海第2原発(茨城県)に隣接する茨城県ひたちなか市では、独自予算で全住民に事前配布している。

=考 玄海原発再稼働=

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