厚生労働省事務次官の蒲原基道さん

 「いい意味で官僚っぽくない人」。佐賀県関係の国会議員らは口をそろえて人柄をこう評する。厚生労働省官僚トップの事務次官として働き方改革や受動喫煙対策、医療、介護、障害福祉のトリプル報酬改定といった難題に向き合う。「職員がやりがいを持って働ける職場をつくりたい」

 佐賀市与賀町で幼少期を過ごした。「昔の佐賀駅や佐賀城跡、商店街の風景を覚えている」。父親が多久市、母親が佐賀市の出身。その後、県外に引っ越したが、佐賀市の親せきの家でよく遊んだ。入省後も障害者福祉に関するシンポジウムなどで県内を訪れ、「さまざまな人たちと縁を持たせてもらっている」

 障害者支援が長く、児童手当や少子化対策の室長など福祉畑を歩んできた。障害者自立支援法施行で混乱していた時も全国の現場を歩いて制度の円滑化に向け、施策を講じた。「何より現場。現場との関係で常に自分の政策を見つめ直せば、何が足りないか分かる」

 厚労省は所管業務の幅が広く、大臣の国会答弁回数も他に比べて多い。「就職では大蔵省(現財務省)などの経済官庁も考えたが、人の生活に密着した仕事がいいなと思った」。その志は官僚トップになった今も変わらず、職員には生活の現場の大切さを説く。

 過ごした時間は短いが佐賀への愛着は強い。「小さいからこそ、都会に比べて首長がその気になれば、さまざまなアイデアを実現できる。行政のちょっとした手助けで地域のコミュニティーづくりが進む。そんな土壌が佐賀にはある」。東京都練馬区。

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