食事は提供せず、知らない人と相部屋になることもある簡易宿泊施設「ゲストハウス」。そんな施設が、唐津市中心部に2軒オープンしている。どちらも県外からUターンした女性が空き物件を有効活用して造った。格安な宿泊施設に、若者を中心とした観光客増加の期待がかかる。

「鳩麦荘」(町田)

空き家改装、外国人4割

民家を改装した和室には、古い家具や道具が並ぶ。受付台には中島彩希さんが座る=唐津市町田のゲストハウス「鳩麦荘」

 「鳩麦荘」は、唐津市町田の空き家を改装したゲストハウスだ。「居心地の良さ」と「手仕事」をテーマに、きれいな畳の上に古家具が並ぶ。玄関を入って正面に座るのは、中島彩希さん(26)。今年の春、福岡県での会社員勤めを辞めて鳩麦荘を開いた。

 バックパックを背負って旅をするのが趣味で、旅先で知り合った人から「唐津にもゲストハウスがあれば泊まりに行くのに」と言われたことをきっかけに計画が動き出した。

 市の空き家バンクに登録されていた物件を改装し、昨年12月にオープン、現在まで約50人が宿泊した。内訳は日本人が6割で、4割を中国や韓国などのアジア人旅行者が占める。アメリカやロシアからも問い合わせがある。年末には、帰省した唐津出身者と市内在住者が忘年会会場として貸し切り、お酒を飲みながらそのまま宿泊。「予想してなかった使われ方だけど、地域の人と県外の人がつながる場所になっている」と笑みがこぼれる。

 安定した収入を捨て、ゲストハウス経営に挑戦したことに「不安はある」と打ち明ける一方、「唐津の温かさに触れられる拠点になれば」と意気込む。

 申し込み、問い合わせは、ホームページ上からメールで受け付けている。

 

「少女まんが館Saga」(大名小路)

編集者経営、漫画800冊収蔵

お気に入りの少女漫画を持つ池田愛子さん。宿泊スペースには2段ベッドが並ぶ=唐津市大名小路の「少女まんが館Saga」

 唐津市大名小路の元米屋だった建物が、「少女まんが館Saga」に生まれ変わっている。2階にある壁面本棚などには少女漫画約800冊が収まる。宿泊客は女性限定だが、漫画を置く部屋は男女共に宿泊しなくても利用できる。

 東京都あきる野市にある私立図書館「少女まんが館」の姉妹館で、主に歴史をテーマにした少女漫画を収蔵する。貸し出しはしていないが、こたつでゆっくり読書できる。蔵書数は今後増やす予定。

 館主は、唐津市出身の池田愛子さん(38)。書籍などの編集者として13年間、東京で暮らした。都会での生活は「たくさんの情報や面白い人と出会える機会が多かった」と話す一方、「忙しくて回りも自分にも余裕がなかった。東京で老いていく未来が想像できなかった」と話す。「自分が持っている漫画を生かし、地域に根ざした仕事がしたかった」と同館の開設を決めた。

 唐津で館主を務める傍ら、編集者の仕事も続ける。「インターネット環境さえあれば、国内外どこにいても仕事はできる」と二足のわらじをはく。

 3月18日までのプレオープン期間中は、男性も宿泊できる。本オープンは21日から。予約はホームページからのみ受け付ける。「少女まんが館が唐津を訪れる理由になれたら」と笑顔をみせた。

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