約4500人が参加し、差別のない社会の在り方について考えた「人権社会確立全九州研究集会」=佐賀県総合体育館

 部落差別問題などをテーマにした「第36回人権社会確立全九州研究集会」が6日、佐賀市で始まった。自治体職員や宗教関係者ら約4500人が参加。経済効率重視の風潮の中で人権が軽視されている社会の実態や、あらゆる差別をなくすための取り組みについて議論した。

 1997年にあった佐賀新聞社長の差別発言問題から20年になるのを受け、富吉賢太郎専務取締役が同社の差別撤廃に向けた取り組みを報告した。

 富吉専務は「報道現場に身を置く者として『どんな差別も絶対に許さない』という意識が欠けていたという反省の下、この20年、社を挙げて人権問題を学び、読者に訴えてきた」と述べ、社員研修や紙面を通じた啓発活動の内容を紹介。「これからも差別のない社会の実現の一助となるよう、同和問題をはじめ人権問題への正しい理解を訴えていく」と決意を語った。

 記念講演では、作家の雨宮処凛氏と部落解放同盟中央執行委員長の組坂繁之氏が、社会に広がる「貧困」と「生きづらさ」をテーマに対談した。

 若者の貧困や格差問題に詳しい雨宮さんが「非正規雇用など頑張っても報われない社会の影響で、ゆがんだ考えを持つ人が増え、ヘイトスピーチや生活保護バッシングなど立場の弱い人が弱い人を叩くという悲しい事態になっている」と指摘した。組坂さんは江戸時代の身分制度を例に挙げ、「弱い者同士を分断し、いがみ合わせて社会の矛盾を隠すのは、世の支配者の常とう手段。その仕組みに気付き、弱い者同士が連帯することが大事だ」と話した。

 集会は、部落解放同盟九州地方協議会などの実行委員会が主催。7日は「被差別部落の歴史と現在」「人権確立に向けた企業の現状と課題」などを議題に八つの分科会が行われる。

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