環太平洋連携協定(TPP)参加11カ国は23日、米離脱に伴う新協定の全容に合意し、南米チリで3月8日に署名式を開くと決めた。元の協定の効力を凍結するのは22項目で確定した。カナダが求めた文化政策に関する例外措置は、カナダと各国が補足文書を交わして意向に配慮することで折り合った。

 東京都内で22日から開いた首席交渉官会合で決着した。トランプ米大統領が離脱を決定してからちょうど1年で、新協定の全交渉を終えた。茂木敏充経済再生担当相は会合後の記者会見で、参加11カ国による合意は「わが国やアジア太平洋地域の将来にとって画期的なことだ」と評価し、発効後は「TPPの拡大も視野に入れていきたい」と述べた。

 署名後、6カ国以上の国内承認が完了してから60日後に発効する。早ければ2019年にも発効する見通しだ。

 ただ参加国内には慎重論もあり、今後の手続きで曲折も予想される。日本政府は今通常国会に協定承認案と関連法案を提出する予定だ。

 カナダは同国のフランス語文化を保護するため、映画などの産業への独自支援や規制措置を要求した。カナダが求める協定の修正を認めると、ほかの参加国からも要求が出るとして各国が反対。協定本体の変更に比べて拘束力が弱い補足文書で、カナダに例外を約束することで歩み寄った。

 ベトナムが求めた労働分野の違反に関する貿易制裁の猶予についても、各国が補足文書で一定期間、自粛することで決着した。

 マレーシアとブルネイが提示した一部の国内産業の優遇を見直す手続きは凍結する。

 米離脱後、11カ国は米国の要求を受けて導入した項目を中心に、米復帰まで凍結する新協定を結ぶことで一致した。

 昨年11月の閣僚会合で、著作権の保護期間を70年にそろえる規定など20項目の凍結で大筋合意したが、4項目が継続協議となっていた。

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